ドタンバのマナー サトウサンペイ・著/ 新潮社・刊/ 520円/ ISBN4-10-126501-1
かなり古い本なのだけど、何故か急に読みたくなって図書館で手配しました。 何せ古いのでどれだけ今でも通用するだろうと半ば不安に思いながら読み進みましたが、とんでもない。読んでよかったです。 文中で『海外に出ることが多くなった時代』みたいな下りがありますが、時代が下って逆に海外から沢山流入してくるようにもなりました。どこで異人さんとすれ違うか分からない昨今(近所にインドネパールのカレー屋さんがあって、経営者のご家族が民族衣装で家の前を通られるんですよぉ)、海外に行ったら気をつけること、ではなく日常で気をつけなければいけないこと、にシフトしつつある項目も沢山あるのではないかと思いました。 でもその点は解説のP198で深田祐介さんが これは孫引きになるのですが、フランスのレヴィ・ミールコワという人が、礼儀とは「社会に生活したいと望む人間が、すべて自分に課さなければいけない規制」であり、その根元は互譲の精神であると言っています。また、ジャン・セールという人も「礼節とは一言でいえば繊細の精神(恋乃注:後出「他人に対する心づかい」)である」と言っています。この辺をひっくるめていえば、礼儀の原点とは≪自分にされていやなことは他人にもするな≫というあたりにありそうです。本書に挙げられたもろもろの例も、結局は≪繊細の心で貫け≫ということに尽きるのではないでしょうか。 と書かれているように、あまりにも当たり前のことなのかもしれないですね。
因みにありました。 私、公共の場所でのお化粧は同性としてもちょっと嫌だな、と思っているのですが(だいたい地に足の着いてないところでなんて、そんな高度なテクは持ってないです)、P32に「外国でやると売春婦と思われる」とあります。外国の道徳がそれほど変わっていなければ、来日された方々は「ずいぶんウリやってる子が多いんだな」と思っているかもしれませんね。
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