雑記帳

2005年07月20日(水) 事件

交通量の多い道路に面した、中学校の正門すぐ横のバス停でバスを待っていた時のこと。既に時刻は18:30を回っており、部活もそろそろ全て終わりと言う頃でした。
車道に自転車の前輪をはみ出させた制服姿の男子に、後ろからこれまた自転車を追突させる、と言う遊びを始めた男の子ら。
私は男の子たちに、つい声をかけてしまったのです。
その子たちは、不幸にも他人から声をかけられるという経験に乏しかったのでしょう。妙に彼らの気を引いてしまいました。
次々と浴びせられる
「不審者」「キモイ」「クサイ」「ワケワカンネー」等々……
そういった汚い言葉を吐きながら、一番関心を示した子が、私の回りすれすれを自転車でくるくる回り始めました。
こうおっとり書けば印象も柔らかいでしょうが、実際は物凄い緊張状態でした。私は一生懸命、「相手は中学生だ、大人を舐めるな」と胸の内で唱えながら虚勢を張っていました。
そのうちにも何度かその子とやり取りするうちに、売り言葉に買い言葉のようになってしまいました。
ギャラリーが増えてきました。学校の中にはまだ先生も居られるでしょうに、気がつかないのでしょうか、出て来やしません。また、このとき市が何かの行事で校舎を使うらしく、市の職員が車の誘導に立っていたのですが、私が声をかけたのにもかかわらず知らん振りされてしまいました。

私を囲む少年が増え、それが又皆自転車に乗っているため、得体の知れない身の危険を感じるようになりました。私は携帯電話の中に、何かの時のために地元警察の番号を控えてあります。「今使わなくて何時使う」そう思って私は必死でメモリを呼び出して通話ボタンを押しました。
その時、少々遅れていたバスがようやく来たのですが、この増長しまくる男の子たちをどうにかする方が重要と思ったので、見送りました。バスは本数が少ない路線の終バスだったので、もう目的地には行けませんでした。
少年たちは電話を単なるハッタリと捉えたのか、必死で訴える私を
「乗れないでやんの、ばかでー」
「とうとう気がふれた」
などと囃したて始めました。
「生徒に囲まれてます!」
と言う私の口真似をして笑います。
夫のサイトに、夫がやはりパトカーを呼んだ時3分くらいかかったとあったのを思い出しました。ここだと、どこからパトカーは来るんだろう、どれくらいかかるんだろう……
「今のうち浮かれていればいい、本当に警察を呼んだんだから」と思いながら本当にパトカーが待ち遠しかったです。

警察が到着して、やっと少年たちから解放されました。110番ではなかったので調書などは無く、現場でメモ帳に住所や氏名を記帳して状況の確認などになりました。
警察官さんによると、「最近親や教師では話を聞かない少年が出てきた。こういう子達を見かけたら、自分で声はかけず、警察を呼んでください」とのことでした。
隣の市に住んでいる人にも「パトロールでそういう子を見ても自分たちでは声をかけないのよ」と聞いた事があるので、広い地域での傾向なんですね。

後で、帰宅した夫に話をしたら、
「何故110番の方じゃなかったんだ」
と言われてしまいました。その方がきちんと処罰されるからだそうです。
中学生相手に、と思われる方もいらっしゃるでしょうが、小さいところでは雑誌雑紙回収日のマンガ雑誌抜き取りから(人の家の玄関先を汚す)、小学生にお金をせびって通報・補導されるなど、とかく問題の多い学校なのです。

彼らはまた、先生方に連れられて謝罪と言うことで私の目の前に現れるのでしょうか? その時私は彼らに何を話せばいい?
(少なくともその時は聞いているフリくらいはするだろうから)
今はまだ思い出してもドキドキするのですが、あの男の子と話しているときに
「注意してくれる大人がいるのは、幸せなことなんだよ」
と私が言ったのを、
「『注意してくれる大人がいるのは、幸せなことなんだよ』だって、ワケワカンネー」
と、大喜びで他の子にふれて回っている本当にバカな様を思い出して、自分を慰めているのです。


 < 過去  INDEX  未来 >


恋乃 [HOMEPAGE]

My追加