おじいちゃん
誰の言葉だったか忘れてしまったのですが、「親を背負ったらあまりにも軽くて、涙が出て3歩も歩けなかった」みたいなのがありました。(あれ、俳句だったっけ?)
今日、バイトに出かけるほんの数分前、自宅で祖父が転倒しました。もう80歳で足元もおぼつかないような祖父だったのですが家の中を歩く分には不自由はしていませんでした。そんな、祖父が。
廊下でへたってしまい、立つことすらできない。痛いという。トイレに向かう途中で転んだため、トイレに行きたいと言う。でも、立てない。ダダをこねる。母に八つ当たりする。
そんな一連のやりとりを見ていたり、父が帰ってくるまでの間、救急車がくるまでの間、祖父の側に居たのですが、その体の小さいこと。思わず涙が出そうでした。
祖父とは私が生まれたときからずっと一緒に住んでいて、だから小さいときに会社に出かける時にほっぺにキスをしたりしてお見送りしていたのは今でも鮮明に覚えています。私が中学生の時、祖母が亡くなりました。その時初めて私は祖父の涙を見ました。棺桶を見ている背中がすごく小さく見えました。イギリス短期留学に行かせてくれたのも、祖父です。帰ってきたとき泣いて喜んでくれました。成人式の時も、振り袖を着た私を見て泣いていました。
そんな祖父の手がとても小さく、気力無く廊下にへたっている姿は認めたくありませんし、涙が出てきてしまいます。
救急車の回転灯が遠く小さくなっていくのを見て、ふと、そんなことを考えました。
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