たまの日々

2002年03月20日(水) 離別

あまりにあまった有給休暇を無駄に使うべく、
またもや会社をお休みしました。
とはいっても、
いつもの時間にしっかり目を覚まし、
PM1:00くらいまでかけて、
この前もらった本を集中して読んだ。

外はすっかりあかるい春のひかりでいっぱいで、
車にのりこんで実家まで。
そこに車を置いて、
近所の枝垂桜の有名なお寺まで。

徒歩で15分くらいの距離を、
ゆっくりゆっくり歩いていった。
そこかしこには春の花。
れんげ。
タンポポ。
菜の花。
なずな。
その他いろいろ。
小学生の頃、
毎日通った通学路は車通りの少ない道で、
そういうなつかしい景色が取り残されている。

そうはいっても卒業してはや幾年。
垣根が崩れて廃屋になってたり、
なつかしい公園がだれかの家になってたり。
よく遊んだ場所も今は駐車場になっていたり。
そんな記憶との違和感をかみしめながら、
桜をみにいきました。

桜は今年もみごとでした。
観光客のひとりになった気分で古木の周りをまわりました。

すっかり気分よく勢いづいてしまって、
もう少し大回りして戻ろうと、
再びなつかしい道へ。

勢いのよかった桑畑も、
今は春をむかえて息を吹き返す事も無く、
ひっそりと固い枝を下にむけて、
そうかとおもうとなつかしい、
子供の頃は永遠に続くんじゃないかと思ったほど、
ながいながい真っ黒な塀の角を曲がると、
あの頃とおんなじ、
むっとするほどの濃い菜の花の香り。
途中で折れて川沿いの道を、
つぼみがはちきれそうな桜のアーチを抜けて実家に戻りました。

途中で、
気づきました。
この景色がなんともなつかしく、
よそよそしいことに。
私は、ここから離れた空間に生活していることに。

私の、
かけがえなくなつかしい、
あまくあたたかい風景に。
今度会えるのはいつだろう。
できれば、
今度はだれかに紹介するような気持ちで、
出会いたいものです。



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