うさうさと、今年で5回目の桜の季節を迎えようとしています。 近所の話をしたこともないおばさまから、 「もらってくれない?」 といわれふらふらと庭にはいっていくと、 そこにいたのがうさうさです。 他の子はみんな体が白くて耳と手足の先の茶色い、 目が朱色でおとなしい子達でした。 でも、 私が目を離せなかったのは、 ひとり、黒くてすばしっこいうさうさでした。 うさうさは、 勝気で、他のうさぎさんたちとは一線を画していました。
当時の私はといえば、 やっと周りのごたごたが収まって、 ふっと見渡すと自分だけがひとりぼっちで、 自分ってものを保っておくことだけにせいいっぱいでした。 少しでも気を抜いたら、 どこかに流されてしまいそうでした。 流されまいと、必死で、 決して人に心をゆるしたりするもんか、 と頑なに決めていた。 そんなさみしい考え方しかできないほどいっぱいいっぱいでした。
そのくろいうさぎさんに、 うさうさ、なんて間抜けな名前をつけて、 生活は、少しずつかわっていきました。 それは、 私にとってひとりぐらしをはじめた最初の春でもありました。
うさうさとの生活は、 自分の成長を確認する鏡だったのかもしれません。 うさうさのせまいひたいをいつもなでながら、 いっしょにいるからさみしいおもいはさせないからと 何度ささやいたことでしょう。
大学の卒業、 拘束時間の長かった就職、 地元での転職、 その他色々。 たのしい日、さみしい日、うれしい日。 いつもいっしょにいてくれたこと、ありがとう。 そして、 今年もまたいっしょに春が迎えられる。 そんなうれしい事実もありがとう。
これからもよろしくね。
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