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2004年02月09日(月) 死者の国へ向かう舟

また古い話を持ち出して恐縮なんですが…
「遊闘337 ナイルを越えて!!」で、イシズ姉さんが船旅になったことを因縁めかして語るシーンについて一言。


    砂嵐に見舞われたのも
    何か特別な意味があるのかも知れません…

    古代エジプトでは
    舟は神に帰依する人々や王を
    現世から死者の国へと送る乗り物と信じられていたからです。

日本の古代にも同じ思想があるので、改めて本を読んでみました。

    「黄泉の国」の考古学−辰巳和弘(講談社現代新書)


この本を簡単に説明すると…

    古代の埋葬方式に、舟型の”木製かんおけ”を使って埋葬している例がある。
    また古墳の壁画などに、舟を描いたモノが多く見受けられる。
    これは古代日本人の心の中に、死者の魂を舟に乗せて、
    『黄泉の国』へ送り出すという思想があったと言えるのではないか


    ↓珍敷塚古墳壁画<福岡県>−舳先に道案内をする鳥がとまっている↓
       珍敷塚古墳<福岡県>


「魂を舟に乗せて、死者の国に送る」という発想が遠く離れたエジプトにもあったことが不思議でした。
しかし最近、北欧『ヴァイキング』の文化にも舟葬(しゅうそう)があることを知り、ひょっとして「常世への憧れ」というのは人類共通の感情なのかな…と思ったり。


古代エジプトの場合、死者の国というのは『楽園』
王はその楽園で永遠の命を得、楽しく生き続けることが約束されているのですが、
しんみりと語るイシズ姉さんのセリフは胸を締めつけられるようで、なにやら哀しく感じました。



    常世(とこよ)の国
    古代人が、海のむこうのきわめて遠い所にあると考えていた想像上の国。
    現実の世とはあらゆる点で異なる地と考えた国で、後に、不老不死の理想郷、神仙境とも考えられた国。
    国語大辞典(新装版)・小学館



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