×追伸、また会いましょう×
ひろ



 死別と現実

今日はお葬式でした。
…ので、少し内容が暗いです。
苦悩/心ジャンルだから当り前だけど。
覚悟してください(笑)


亡くなったのは、親父の弟。茂おじさん。
アタシの父親は、5人兄弟の4番目で、一人だけ異母兄弟。
母親は全く不明。その証拠に、今日、まじまじと見たら、他の4人と大分顔つきも違うし、これは前から気付いてたけど眼球の下半分が青い。
茂おじさんは、親父と1歳も違わない弟で、飲兵衛で、不摂生の極み、って感じの人で。離婚もしていて、娘が一人だけ、居た。
5歳くらいの頃、セクハラまがいの事もされたけど、まぁよく母さんと変な言い合いとかしたり、その頃はよく家に来ていた。
家に来て、親父と一緒に飲んでた。お酒を。

それ以来、アタシは会った事が無くて。
11年ぶりの再会が、死別だった。
遺影も、アタシが覚えている茂おじさんよりずっと老けていて、遺体はガンで亡くなったから、もっとやせ衰えていた。


お葬式。
5歳で始めてのお葬式に行った。
父方の祖母だった。
9歳で、同居していた母方のおばあちゃん。
自宅でお葬式をした。
その時は、アタシは小さい事もあって、一般席に居た。


今日は、兄弟身内だけのお葬式だった。


会場へ行って、まずは
「大きくなったわね〜」
ってチヤホヤされた。
…社交的な場所は苦手です。でも11年ぶりだから仕方ない。
頑張って笑顔出しました。正直、辛かった。

お葬式が始まって、遺影を見てまず、
「茂おじさん…なのかな?老けたな」
って思った。
まだ50歳になるか、ならないかのおじさんが頭に浮かぶ。
ちなみに、亡くなった歳は59歳だった。
…若すぎると思った。

お経を読んでいる間は、授業中の気分だった。
しかも眠い。
そしてお焼香の仕方は解らない。
もう鬱MAXに突入しました。


…出棺の時。
お花を添えるじゃないですか。

親戚みんなが、顔の周りに泣きながらお花を添えている時、アタシはどうしてもその場に入り込めなくて、足元で、少しずつお花を添えていた。
母さんは顔の近くに居て、やっぱり泣きながら添えていた。
少しして、親父が茂おじさんの亡骸の足元あたりに、
「この馬鹿野郎!この馬鹿野郎!!」
って、泣きながら花をわしづかみにして、投げ入れた。

親父が、こんなに感情を表に出しているのは始めてみた。

足元に居たのは、お通夜で顔を見ているから、ショックでもう見れなかったんだと思う。辛かったんだと思う。
そして、正直な気持ちだったんだろう、って思う。

茂おじさんの足元に居たアタシは、偶然にも目の前でそれを見た。
…驚いた。
初めて、父親が人間らしく見えた。


そして、火葬をして、食事をしている間、親父はお酒を飲まなかった。


仕事中でも、酒を飲む、あの親父が。
飲まなかった。
ご飯もあまり食べなかった。
一人でロビーで、寝ていた。
…フリを、していたのかなぁ。

代わりにアタシがお酒…ビールを飲んだ。
グラス2杯半。親父の分も。
制服だったけど、和子おばさんも
「今日は良いよね、茂おじさんの為に飲むんだもんね」
って、ビールを注いでくれた。


お骨を骨壷に納める時は、何だかグロテスクだった。
お骨が入りきらなくて、箸で骨を砕いてた。
…親族の目の前で。
……正直、どうかと思う。

火葬ですら、嫌なのに。
面影がなくなってしまうから。
形とどめたモノを。
壊されてしまうって言う事は。辛い。

頭蓋骨も、半分に割られた。
何だかもう、心が痛かった。

まだ若かったし、体格も良かったので骨が形よく多く残ってた。
骨壷に、ギリギリ収まった、って感じだった。




何だか。

父親の意外な一面を見てしまったりして。
死別、を16歳で実感して。

色々な思いが、渦巻いています。グルグル、グルグル。


その後、父親が話していたんですが、
茂おじさんは小さい頃、甘えん坊で、疲れるとすぐ
「おんぶ」
って言って、親父が背負っていたそうです。

お葬式の、お経を読んでいる時、
「肩に茂が来た」
って言っていた。
「おんぶ、おんぶ」
って、言っていたんだ、と。


父親の口から、幼いころの話なんて聴いたのも初めてで、
何だかもう、今日は精神的に色々ありすぎて疲れてしまった。


今日は、珍しく父親ともよく話した。
もしかして、茂おじさんが、天国から、そうしてくれたのかな。なんて。
都合よく思ってみるのです。

嫌いな人のはずだったんだけどな…。
母さんは言ってた。
「太くて短い、自分のやりたい事やってた人生だったよ」
って。
茂おじさんは、それで、幸せだったのかな。


帰りに、ブリーチ買って、やりました。
茶髪です。茶。
正確にはやってもらった、ですけど。母さんに。



ああ、何だかもう今日は
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お疲れ様でした。
茂おじさん。
ご冥福をお祈りします。



そしてアタシにも、お疲れ様。
明日から、いつもの日常がやって来ます。

2003年12月23日(火)
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