ToY◎StorY
モクジ|カコ|ミライ
彼に会うことも億劫になり
会うのを躊躇していたけれど
これではだめだと
ちゃんと会うことにした。
彼の目を見ることも
ふれることも
近づくことすらできなくなっていて
自分の精神状態の異常に気付いた。
泣きじゃくるわたしを
彼は見捨てることなく
頭を撫でながら
いっぱいいっぱい抱きしめてくれ
とげとげしたものが
溶けていくのがわかった。
幼少期の経験のフラッシュバックが
時折何かの節にやってくる。
そうなると自己制御もできず
暗闇の中に
閉じ込められた感覚に陥り
わたしはひとりで生きないとダメなんだと
自分をどんどん追い込んでゆく。
助けてくれてありがとう。
拾い上げてくれてありがとう。
見つけてくれてありがとう。
そばにいてくれて
本当にありがとう。
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