LORANの日記
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いまから約1600年前の410年に、西ゴート人によってローマは占領され、
476年に完全に滅亡しました。(分裂した東ローマ帝国は存続しました。)
ジュリアス・シーザーに代表されるローマの権威と繁栄は、滅亡の
100年前から始まった民族移動によって崩れ去ったと言われています。
民族移動は気候の激しい変化により、牧畜などが不可能になり、移動を
せざるを得なくなったことで起こりました。
ライン川の北、ドナウ川の東にすんでいたゲルマン民族が、ローマ帝国
へ侵入してきたことから始まりました。
ゲルマン民族の移動の背後には、中央アジアからの遊牧民の移動があった
と言われています。
最も繁栄していたローマ帝国の滅亡は、いまの世界情勢とよく似ています。
ローマ帝国は西の辺境だったイギリスや南のエジプト、中近東、北欧まで
に領土を拡げ、陸上と海上の交通網を整備して、物資の供給を可能にしました。
その結果、首都ローマは大消費地になり、上流階級は贅沢な生活をしました。
毎日のように繰り返される宴会で、彼らは借金漬けになっていたそうです。
そこへ民族移動でゲルマン民族が侵入して来たので、あっけなく滅亡しました。
現在の世界を見ると、かってのローマ帝国はアメリカ帝国にそっくりです。
世界中の富を集め、1955年ごろ最盛期をむかえましたが、以後は世界支配
のために軍事費の巨大化により、借金が膨らみました。
温暖化が世界の気候変動を増幅し、低開発国から多くの労働者が入国しました。
この傾向は、これからも一層強まるでしょう。
アメリカ帝国が崩壊すれば、西洋資本主義国家に影響することは必至です。
消費経済に政策をシフトしている旧社会主義国も挫折するでしょう。
「対岸の火事」を、笑って見ている段階ではなくなりました。
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