恋愛至上主義
今まで←昨日明日⇒はいいろのそら。


2004年11月23日(火)

ここ数日で10年分は泣いた。
こんなに泣いたのは初めてだし、
こんなに連日泣いたのも初めてだ。

眠れずにいると勝手に涙が出て来て、
2時間くらいずっと泣き続けて、
あまりにも激しく泣きすぎたものだから、
軽く過呼吸になってしまって焦って、
そのうち泣きつかれて眠るという事を繰り返していたから、
毎朝まぶたが腫れて大変でした。
月曜日は学校に行く予定たったんだけどこんなまぶたじゃいけないし、
昼にもまた泣いてしまって行く事を止めた。
今休学中なのにどうして行くかというと、写真渡すのと、
貸してたスコアを返してもらいにいくためです。


普段滅多に泣く事がなく、
もし泣いても涙が溜まる前にひいてしまうので、
ここまで激しく泣けるんだなぁとしみじみ思ってみたり。
本当に壊れてしまうんじゃないか、というくらい泣きました。

本当にあたしはあの仔が大好きで、可愛かった。
だからこそ。
我がままと言われようとも。


空気を察したあの仔が、
移動用のカバンに入り込んで「ねぇ、帰ろうよ」と目で訴えてきた事、
シカトを続けるあたしやママの足元に絡みついては「抱っこして」とせがんできた事、
専用の寝床のカゴに入れられたとき「自分はどうなるの?家に帰れないの?」と不安がってたあの目が忘れられません。
もう新しい飼い主がいるのに、
あたしはもうあの仔の飼い主じゃないのに、
そこで抱いてしまうと、離れがたくなる、
あの仔自身にも、よくない、
そう思うと、抱けなかった。
新しい飼い主がそれじゃぁ帰ります、といってあの仔を連れて行った時、
手を伸ばせば届く距離だったのに、
触れたら泣いてしまいそうで、
少しでも動いたら泣いてしまいそうで、
動く事ができなかった。
イスに座ったまま、あの仔をただ見つめてた。
最後に撫でてあげればよかった。
泣いてもいいから、撫でてあげればよかった。

飼い主が変わって、名前も変わって、住む場所も変わって。
この家で4ヶ月を過ごした、らん太は、いなくなりました。
次にあったとき、あの仔はもうあたしの事を覚えていないと思う。
今、丁度色が変わる時期だから、次に逢った時は、もう全然違う子になってる。
あたしの中では、もうらん太は存在しない事になる。
死んでしまったのと、同じ。

生まれたときから手放す事は決まっていたから、
親と、情が移らないように、あまり手をかけないようにしようと決めていた。
だけど生後2週間目に母犬の一回目の発作が起きて、
母犬と子犬を隔離しなくちゃいけない状態になった。
それからはあたしとママが子犬に哺乳瓶でミルクをあげたり、
ティッシュで刺激してトイレの世話をしたり、
体温調節にも気を使って、
手をかけなきゃいけない状態になった。
それでも2匹は最初のうちにもらわれていったから、あまり悲しくはなかった。
そのうち3匹目がもらわれていった。それが8月の終わりの事。
4匹目のらん太だけが貰い手がきまらなかった。
9月になっても決まらない。
10月になっても決まらない。
もう、うちで飼っちゃおうと言う事になっていた。
7月に生まれてから、約3ヶ月一緒に過ごしたわけだし。
これだけ経っても決まらないんだからもう無理だよ、と。
10月の時点で名前を決めて、らん太の服も買った。
らん太は一番悪戯っ子で、1人で勝手にベランダに出たり、
ネコにちょっかいをかけて追いかけられたり、
ヌイグルミめちゃくちゃにしたり、
コードをかじってたり、あたしのMDの充電器の線を噛み切ったり、
ゴミ袋漁ったり。
でも、家に帰ると一番初めに走って来てお出迎えをしてくれて、
どこに行くにもちょこちょこついてきて、
寝転がっていたらすぐ顔をなめてきて、
気が付いたら足の上で寝ていたり、
あたしは一番すきだった。
大好きだった。
11月の7日くらい。
ママが、「貰い手きまるかも」と言い出した。
あたしは反対した。
7月11日生まれてから今までずっと一緒に過ごしてきた。
今更もうあげられない。
手放せない、と。
だけどママは、
向こうもすでに他に犬がいて、きっと可愛がってくれる
向こうに行った方が幸せだ
ここにいたら、去勢しなきゃいけなくなる
と、譲る気だった。
何度も説得した。

だけど、
21日。
らん太を、新しい飼い主に、渡してきました。

何で今更、これだけ一緒に過ごしてきたのに渡すの?
もう犬が4匹いるんだから一匹くらい増えても変わらないでしょう?
あたしは何どもママを責めました。

新しい飼い主は、3匹目の犬をあげた人のお客さん。
3匹目の犬をあげた人は、愛知でドッグカフェを経営している人で、
そこのお客さんがらん太を欲しいと言った。

ひょんな事から、ママのメールBOXを見る事があって、
それによると、5日の時点で「犬を譲ってくれませんか?」というメールがきていた。
ママはそれに返事を返していなかった。
2日後にまた同じような内容のメールが着ていた。
やっとママは返事を書いていた。
ママなりに悩んだ結果なんだ。
きっと、1通目のメールが来た時点でかなり悩んだんだと思う。
そして、2通目のメールで譲る決心をした。
あたしは、簡単に譲る決心をしたママを責めたけど、
彼女も彼女なりに悩んだんだと、わかった。
らん太を渡した時も、泣いていたし。
当たり前だ。
ママも動物が大好きだし、犬もネコもカメでさえ、人間の子供のように可愛がる。
4ヶ月も過ごしていて、悲しくないわけがない。

だけど、だからこそ、渡して欲しくなかった。

らん太はいたずらっ子だったけど、一番可愛い子だたんだよ。
あたしも犬は大好きだけど、他の4匹は平等にスキだった。
らん太は、らん太だけは「一番スキ」と言えた。
リズだって子犬の時からずっと育ててきたけど、ここまでスキだと思わなかった。
あたしはらん太が一番スキだった。
一緒に暮らして行けると疑いもしなかった。
家中、どこを見ても、あの、小さくて、まだ毛色が黒くて、
すばしっこい、いたずらっ子はもういない。



家にいたら、らん太がかじった痕とか、らん太の服とか、
直接関わったものじゃなかくても、この場所によくいたなぁだとか、思うと、
悲しくて、
足音が聞こえたららん太じゃないか、と思ってしまったり、
振り返ったらあの仔がいる気がして。


3週間前までは、ずっと一緒に過ごして行けると思っていたのに。


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