Wakako's Diary 道すがら記

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花の命は短くて - 2004年04月16日(金)

逃げ出したくなる

消えたくなる

春先

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病理の授業で、ガンで死ぬのはオシャレと冗談まじりに先生が仰って、それは数十年前まで感染症で亡くなる人が日本も多く、今は先進国になって衛生状態がよくなっているという意味合いが含まれているのだが、腫瘍の写真を見て、ああ、花の命は短いな、私たちの生活はきれいな所が目に入るようになっているな、隣り合わせの病や老いや死がどこかに押しやられているな、と思った。

ふと、あと100年もしたら、この教室にいる人間はみな(ギネスブックに載るくらい長生きしなければ)死に絶えているんだな、屍となっているんだな、と思った。ある日大人になったり、小学校を卒業したり、そんな風に1人ずつあの世に旅立っていくんだ、と想像した。

当たり前のことではあるのだけれど。

きれいな洋服を着て、きれいな靴を履いて、プロポーションがよくて、ファッション誌を見てきれいな格好をしていられる時間は限られている。

それでもどうして人は着飾り、きれいな世界しかないような顔をして生きていられるのだろうか。ファッション誌のモデル達の蔭にどこにも死は見当たらず、誌面の死も、どこか観念的な物語の中にしか存在せず、無菌状態で生きている。

花の命は限られているからだろうか。
だから人は精一杯生きているのだろうか。

 命短し、恋せよ乙女

という古い唱歌が脳裏を横切り、帰りの道すがら、口ずさんでいた。


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