| 2004年09月21日(火) |
プロ野球のストは違法か |
日経(H16.9.21)スポーツ面で、引き続きプロ野球のスト問題を取り上げていた。
先日、経営者側との選手会との交渉が決裂したとき、経営者側は損害賠償請求をすると断言していた。
そんな馬鹿なことを言うから、ファンがますます離れるのだと思うが、ただ、法律論として、損害賠償請求が認められるかどうかは別問題である。
私は、損害賠償請求が認められる可能性はあると思う。
以下、検討してみたい。
この問題については、まず選手会が労働組合といえるかが問題となる。
労働組合による正当な争議行為に対しては、損害賠償請求できないと定めている(労働組合法8条)。
逆に言えば、選手会が労働組合でない場合には、ストライキに対して損害賠償請求が認められることになる。
労働組合とは、労働者が主体となっている団体である(労組法2条)。
そして、「労働者」とは給料によって生活している者をいう(労組法3条)。
そこで、選手会について検討すると、何億円ももらっている選手は、世間の常識からいえば、給料とはいえないように思う。
他方、2軍選手などは間違いなく給料という感覚であろう。
なかなか難しい問題であり、ここでは直ちに判断しかねるが、選手会にとって難しい関門であることは間違いない。
ただ、仮に労働組合と認められたとしても、次の問題がある。
すなわち、争議行動によって免責されるのは正当な争議行為であり、違法なストライキは認められない。
そこで、今回のストライキが正当な争議行為といえるかどうかが問題になる。
正当な争議行為かどうかは、目的、手段などから判断されるのが一般的である。
選手会は、合併反対、新規参入を認めよという目的を掲げた。
しかし、合併問題や新規参入問題は経営事項であって、選手の待遇にかかわる問題ではない。
したがって、それを目的にしたストライキには正当性がないということになる。
これに対し、選手会側では、「合併されれば選手の待遇にかかわってくる」として、目的の正当性を主張しているようである。
しかし、今回はオリックスと近鉄の選手の雇用は確保されているようであるから、正当化する理由にはなり得ない。
ということで、私は、残念ながら、選手会のストライキは目的において正当性に欠け、違法であると判断される可能性が高いと思う。
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