2002年01月16日(水) |
大和証券がネットで信用取引を始める |
日経7面に、大和証券がネットでの信用取引を始めるとの記事が出ていた。 ネット専業証券会社では信用取引の取扱が増え、収益に寄与していることから、大手証券会社でもネットでの信用取引を始めることになったのだろう。
信用取引はリスクが高いが、ネット取引に多様なメニューを揃えること自体は悪いことではなく、歓迎すべきことだと思う。
ただ、記事には「大和証券は信用取引に不慣れな個人を中心に取引を拡大する考えだ」とあった。 しかし、これはネット取引としては中途半端なやり方であり、トラブルの種が残ってしまうと思う。
記事から想像するに、大和証券のやり方としては、証券会社の担当者が顧客に相対で信用取引を勧め、その取引形態として、ネット取り引きすることを想定しているのであろう。 ネットで自分の意思で取引を申込み、ネットで取引をするのであれば、信用取引によるリスクについても、完全に自己責任である。したがって、ネットで信用取引をして損害を被った人が、リスクについて説明がなかったといって訴訟したとしても、勝訴する可能性はゼロだろう。
しかし、証券会社の担当者が相対で信用取引を勧め、実際の取引はネットを利用した場合は話は別である。 担当者が、リスクについて十分説明しないまま信用取引を勧めた可能性もあろう。その場合は、ネット取引したことだけを取り上げて、自己責任というわけにはいかないからである。
もちろん、証券会社の担当者が顧客に信用取引を勧め、その取引形態としてネットを利用するということが悪いわけではない。 しかし、ネット取引は本来自己責任の世界である。その意味では、かかる営業形態は中途半端であり、トラブルの種が残っていることに留意すべきであると思うのである。
それにしても、「信用取引に不慣れな個人を対象」という日経の書き方は、ひどいのではないか。 これでは、証券会社が、信用取引の知識がない人を無理矢理取り込み、手数料の荒稼ぎするのではないかと思われかねない(そう邪推するのは私だけか)。
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