そして、ひよ子は言った。
『心配せんでよか』
…えっ? 福岡弁?なんでひよ子が福岡弁?
『本家ひよ子ですたい。』
――解説しよう!! “ひよ子”はもともと吉野堂製造の福岡銘菓。 しかし吉野堂が埼玉に工場を建ててしまったため、 福岡本舗を知らない人々が “ひよ子”=東京銘菓であると勘違いしてしまったのだ!
な、な、なんですと?!
『つまりこの勝負、東西引き分けち言わななりもはんな』
ひよ子!! そうか、君、西日本なんだよね。
『…もうやめちゃれちゃ、東京ひよ子』
『ま、待ってください、本家ひよ子! 私はただ世界にひよ子の輪を広めようと…』
『なしてそげんせないかんと?』
『それは…』
『そげんせんでもよかろーもん。 銘菓はちかっぱいあるごたーばってん、皆うまかろーが』
『…本家ひよ子』
本家ひよ子!! かっこいい…かっこいいけど、何言ってるか全然わからないよ!!
『さあ、もう行かないかんったい。 あんたを好いとー人が、東京で待っとろーが。 うまかーて言うてくれっ人んためにがんばりーよ』
『目が覚めました!!』
――かくして東京ひよ子はたぶん東京へ帰り… たぶん世界に平和が戻ったのでした。あーめでたかめでたか。
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