* 世界一ついてない日常
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2005年02月18日(金) 東京銘菓ひよ子の逆襲

な、なぜ“ひよ子”がアナウンサーをしている?!
実にうまそうだが、なぜ日本語を喋っている?!

「わかったか、妻。
 既に東京は“ひよ子”の手に落ちた。」

ちょ…ちょっと待って。

「もはや中部北陸も時間の問題。名古屋で迎え撃つぞ」

待って!だから何がどうなってるの?

「心ない者の願い事によって、
 人間と“ひよ子”の立場が逆転したのだ!
 現に今東京駅には、東京銘菓にんげんが売られている!」

誰だそんな変な願い事した奴は?!

「急ぐぞ!京都大阪まで制圧されてはもう巻き返せない」

わ、わかった。

かくして創生神と私はバスに飛び乗り、
3時間かけて出雲空港から名古屋空港にたどり着く。

…しかし遅かった。

既に街はひよ子で溢れていて、
こんがりきつね色に炙られた丸々としたひよ子が、
高島屋を我が物顔で闊歩している。
背丈は私とそうかわらないが、とにかくあの図体。迫力だ。

「まさかこんなにもひよ子が拡大するとは――!」

うーん、シリアスにも関わらず、緊迫感のない状況だ。

「のん気なことを言っている場合か!
 やむを得ん、私は一度 神界に戻り、願い事のキャンセルを試みる」

ぜひお願いします。

「妻、お前はひよ子から身を隠しつつ、新幹線で京都に向かえ。
 西日本でひよ子に対抗できる銘菓を探すのだ!!」

かくして運命は突然私の肩にのせられた。
ものすごい重責感と高まる緊張。
にもかかわらず、どこか緊迫感がないのはなぜだ?!

          〈続〉


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