朝起きたら、分裂してた。 朝起きたら、分裂してた。
パソコン画面の、マウスの「軌跡を表示する」みたいに、 一秒遅れの私がいるんですよ。 パソコン画面の、マウスの「軌跡を表示する」みたいに、 一秒遅れの私がいるんですよ。
あのこれ、あのこれ、 別に別にバグじゃないですからね。バグじゃないですからね。 打ち間違いでもなくて。打ち間違いでもなくて。
…なんかくどいですね。すみません。 …なんかくどいですね。すみません。
わざとわざとやってるやってるわけじゃないわけじゃないんですんです。
もうもう何言ってるか何言ってるかわからんな。わからんな。
それでも今日は出勤日。行くほかないさ。 それでも今日は出勤日。行くほかないさ。
おはようおはようございまーす。ございまーす。
「? ああお早う。君、昨日の書類だけどね」
はいはい。
「ここんとこ、こんな書き方されたら困るんだよ」
はいはい。すみませんすみません。
「おい。なんだよその返事のし方は!」
は?は? あ、あ、これはこれは。そのその。
「俺をバカにしとるのか!?」
いえいえ、そうそうじゃないんじゃないんですです。 そんなそんな課長をバカ課長をバカにするにするつもりつもりはは…
「なにぃバカ課長?!つもりつもって笑いやがって」
ち、ち、ちがいちがいまますす!! その、ははってやつその、ははってやつはは、 笑ってる、笑ってるわけじゃないわけじゃないんですんです! どうしても、どうしても、 あっ待って!行かないで!あっ待って!行かないで!ああああ…
「おい…お前、あの鶴田課長を怒らせるなんてやばいよ…」
せ、せ、先輩先輩! 実実はわけがありまして。はわけがありまして。
「歯分け?なんだそりゃ」
なぜなぜかか二回二回言って言ってしまうんです。しまうんです。
「いいから早く鶴田課長に謝って来い!クビになっても知らないぞ!」
クビ!クビ! いやいやだだそんなのそんなの。
鶴田課長鶴田課長!
「なんだね!」
聞いてください。聞いてください。 ですから、ですから、鶴鶴田田課長課長、
「ツルツルだ?!貴様、よくも私の頭をそんな風に…!!」
え!?え!? ツルツルだなツルツルだなんてんて
「まだ言うか!!」
仕方ないんです仕方ないんです!! ゆるゆるしてくしてください!ださい!
「ゆるいのは私の趣味だ!服のセンスまで愚弄するか!!」
…そして私は、自宅謹慎1ヶ月となったのでした。 …そして私は、自宅謹慎1ヶ月となったのでした。
「合計2ヶ月だな」
ええええ――!!??
〈完完〉
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