THE YELLOW MONKEYの重力に魂を引かれ - 2005年03月25日(金) NACK5「J-POP MAGAZIN」のYOSHII LOVINSONインタヴューを聴かせて頂いた。 3月12日と3月19日の2週に渡って「WHITE ROOM」について 音楽評論家の田家秀樹氏がインタヴュアーとなって、 YOSHII LOVINSONがじっくり答えてくれていた。 田家秀樹氏は日本のJ-POPシーンを長い間見続けて来られた方だそうで、 とても穏やかな落ち着いた話し方をされる人だ。 まず、昨年12月26日の「メカラウロコ15東京ドーム」での話が出ていた。 『イエローモンキーをやってきた年数のアルバムを最後閉じたような、 最後はこうスタッフの全員の記念撮影の写真で最後の表紙を閉じたっていう、 そういう感じです』とYOSHIIが語る。 『アルバムを閉じた』という表現がとても心に深く残った。 その後「WHITE ROOM」の曲解説が詳しく続けられるのだけれど、 一番印象深かったのは「WHAT TIME」についての箇所だ。 『ジョンとポールの歌にしようとしてた』という事は、 今回のプロモーションで何度か話していたけれど、 『バンドがなくなって苦しいし、淋しいし、だけどそれはバンドに 実はすがってるんじゃなくて、青春にすがってるんじゃないかなって思って ・・・バンドが忘れられないんじゃなくて、若い時の自分に 依存してるだけなんじゃないかなと思って。 だから僕はそこを断ち切りたいなって思った』この言葉に衝撃を受けた。 『青春に依存してるだけなんじゃないか』 『聞き手の方も』 バンドを演っていたYOSHII自身も、バンドを愛した聞き手自体も バンドが華咲かせた時代の若さと熱、輝かしかった青春の日を 宝物のように抱き締めて・・・バンドの音楽そのものというよりは、 「自分の為に愛しているんじゃないのか?」と鋭い問いを突き付けられた気がした。 『だから別に昔にすがらなくたって、昔みたいにバンドがならなくたって、 再結成しなくたって、解散しなくたって、当時のビデオやレコードが あるんだから良いじゃん』そう言いながら、 「なかなか寝つけない夜に聴きたい1曲」でYOSHIIが選んだのは RED HOT CHILI PEPPERSの「BY THE WAY 」なのだ。 ジョン・フルシアンテが復帰して奇跡の大復活を遂げたバンドの曲を聴いて YOSHIIは眠れぬ夜に何を思うのだろう。 ソロになっても、ヴォーカリストが中央で独りスポットライトを浴びて歌う ステージにしたくはない。ベースがいてドラムがいてギターがいてそういう バンド形式でLIVEを遣りたいというYOSHII・・・初LIVEに馴染みの深いエマさんは 傍らにいて心強いだろうけれども、長年身体で覚えて仕舞った THE YELLOW MONKEYというバンドの重力は、抜け出すのキツイだろうな。 YOSHIIもエマさんも、そして別の道を歩み始めたヒーセもアニーも。 それを目にするであろう私達ファンにとっても。 それでも、THE YELLOW MONKEYっていうのは、母なる星っていうイメージが私にはある。 THE YELLOW MONKEYを牽引していたYOSHII自身もTHE YELLOW MONKEYの子供というか。 THE YELLOW MONKEYが動きを止めて、その分身たちが四方に分かれ、 それぞれ宇宙を開拓するというような。 自己満足な夢物語だろうけど。
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