バンドネオンの豹 - 2004年03月29日(月) ジャガーという名を聞いただけで反応する体に為って仕舞っている。 勿論、THE YELLOW MONKEYの「jaguar hard pain」の影響だ。 幻想伝奇小説が好きな私は、高橋克彦氏の「バンドネオンの豹」 「聖豹紀」も読んだ事がある。地球支配をもくろむ魔人を討とうとする戦士ジャガー、 地底王国アガルタを舞台に繰り広げられる 目くるめくロマンに満ちた冒険の物語だ。 けれど何故バンドネオンなのかが、どうも良く判っていなかった。 先日、あがた森魚初期三部作を集めた「あがた森魚BOX」を購入して 聴いていたら改めてあがた森魚の凄さに嵌って仕舞った。 大正ロマンというのだろうか、文語調の詞で奏でられる柔らかで 懐かしいその歌声にどっぷりと浸り込んでいた。 「乙女の儚夢」「キネマ館に雨が降る」が特に好きだ。 あがたさんが制作・監督・主演した映画「僕は天使ぢゃないよ」の サントラDisc: 3はまだ聴いていない。 映画を見る方を先にしたいから。既に手配済みである。 見て、そして聴くのが非常に楽しみだ。 そして今ヘビーローテーション中なのが、あがたさんの「バンドネオンの豹」だ。 高橋克彦氏の「バンドネオンの豹」は、 あがたさんのアルバムからインスパイアされているらしい。 更にこの「バンドネオンの豹」のモデルは、 勝海舟の孫・目賀田綱美(めがたつなよし)男爵という 実在の人物で青年時代パリ社交界の人気者だったというから驚きだ。 表題曲「バンドネオンの豹」「夜のレクエルド」「シフィリスの 真珠採り」が本当に格好良い。このバンドネオン奏者は、 「jaguar hard pain」の「「薔薇娼婦麗奈」でも華麗な音色を 聴かせて下さっている池田光夫さんなのだそうだ。 そういう関連性を見出す事が出来ただけでも、とても嬉しい。 ところが、このあがたさんの「バンドネオンの豹」は、もっと密接に 吉井和哉に繋がっていたのだ。 随分前に吉井さんがDJをしていた「MIDNIGHT ROCK CITY」という番組に あがた森魚さんがゲスト出演された時に、次々に映像作品を作り続けているあがたさんに対して 『是非ジャガーで呼んで下さい。』と熱心にお願いしていたのだ。 リアルタイムで聴いていた訳ではないが、このテープを譲って頂いてから 随分経つのに忘れていた事が悔しい。 リスナーからのリクエストで吉井さんの印象を問われて 『ロビンさんは、もうロマンチストですよ。・・・』って言い掛けたところで、 吉井さんが照れて慌てて『もう良いです。』と遮っていたのが 可笑しかった。何年か前までは、吉井さんがあがた森魚さんを好きで 『永遠の遠国』「水晶になりたい」に浸っているとかいう文章を読んで ほんのり違和感も感じていたのが、YOSHII LOVINSONとしてソロ活動を始めてから、 この人の中にあるピュアな煌きがあがた森魚さんの 柔らかで清らかな波動に通じているのだと思った。 「春の嵐の夜の手品師」は良い曲だ。魂が浄化される心地がする。 ちゃんとキャッチ出来た事を幸せに思う。
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