友人に、ベルリン芸大の掲示板を確認してもらったところ、私の名前・電話番号は書かれていなかったのです。 Anja(大家)の連絡先が書かれているのみ。 つまり、大家は悪くなかったのです。
どうも、電話をかけてきた韓国人らしき男の子の、語学力の問題だったみたい。 「どこで私の番号を知ったの?」 「大学の掲示板(・・・で大家の番号を見て、大家があなたの番号を教えてくれた)。」 ・・・つまり、そういう意味だったようです。 彼は、状況をドイツ語で説明できなかったんです、多分。 で、掲示板で見たと言えばなんとかなるだろう、と思ったのではないだろうか、と、私は推測するわけです。 まだ、来たばかりで、右も左もわからず、当たって砕けろ状態なんでしょう、彼は。 外国に住もうとする人の誰もが、多かれ少なかれ、一度は通る道では、あるんだけど。
なんだかなぁ。 慌てて、大家に誤解だった旨のメールを書き、一応の一件落着をみたものの、なんか、暗澹たる気持ちになってしまった。
というのも、きっと、自分も、今まで、この韓国人らしき男の子のように、語学の問題で、知らず知らずのうちに迷惑をかけてきたんだろなぁ、と、思って。 そして、こんな風な、「これだけ言えばわかるだろう」という気持ちから生まれるトラブルが、今も、きっとたくさんたくさん、いろんな所でいろんな人に起こっているんだろう、と思って。 で、だから、だんだん、ドイツ人は外国人を信頼できなくなるんだろうなぁ、と、思って。 まあ、もちろん、語学の問題だというのは、考慮はしてくれるだろうけれど。
ドイツ人はひどい、外国人を尊重してくれない、とイジケる前に、自分たちにもっと出来ることがあると思うべきなのかもしれない・・・なんて。これこそ日本人的発想かしら。
外国で、言葉がわからないのは大変だし、コミュニケーションがうまく取れないのは、最初は当たり前ではあるのだけど、なんとか説明しようとする努力とか、誠意とか、そういうのを、怠ってはいけないな、と、自分を含めてかなり反省したのでした。
こういうのは、反対の立場に立ってみないと、わからないものだな。 帰国する前に、こういう立場に立つことが出来て、ある意味、良い経験だったかもしれない。 日本人ってのは特に(・・・いや、もしかしたら、アジア人全般的に)「これだけ言えばわかるだろう」、むしろ、「これだけ言ったんだから、理解しろよ」的発想をする民族だから。 やっぱり、一から十まで、いや、もしかしたら十五まで、全部説明&主張するのが普通な西洋で生きていくには、発想を変えなくちゃいけないんだろうな。言葉がわからないなら、なおさら。
難しいね。外国で生きるのは。 ・・・と、帰国前に、改めて、思うのでした。
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