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2005年02月08日(火) 松本和将君の試験を聴きに。

久しぶりに、UDK(ベルリン芸術大学)に、足を伸ばしました。
かれこれ、2年・・・いや、もう2年半ぶりぐらいか。(ん?そうでもないか?)
とにかく、UDKによく通っていたのは、このサイトを始めるずっと前の話なので、もう、感覚としてはかなり昔ですな。

ベルリンに来た当初、土日に練習をしに行ったり、クラス発表会をしょっちゅう聴きに行ったり、もちろんレッスンをしてもらったりと、ほぼ毎日のように通っていた、懐かしい学校。
あまりにも懐かしくて、泣けてきそうなくらいでした。
ああ、あの頃は、受験で大変だったな〜。
生徒さんたちが、みんな上手で、かなり勉強になったんだよな〜。
刺激を受けまくってたんだよな〜。
いつかこの仲間入りをしたい、と、憧れていたんだよな〜。
まあ、結局はいろいろあって、私はUDKではなくて今のLeipzig芸大に通う事になったんだけど、この学校で得たものは、本当に大きかった。

そんなことを思い出しながら、今日は、松本和将くんの卒業試験を聴いたのです。
松本とも会うのは、かなり久しぶり。
久しぶりに聴いた彼のピアノは、やっぱり安定していて、曇りのないテクニック、コントロールされ尽くした知性のある演奏。少々感情を抑圧しすぎかも、とは思ったけれど、相変わらず、舞台慣れした安定感が、彼の大きな強みですね。

しかし、UDKの試験って、すごいんだわ。
2回に分けてソロ演奏があるんだよな。それにコンツェルトも。
エチュード、バッハの平均律3曲または組曲、が必須。
他に古典、ロマン派、現代・・・。まあ、この辺はLeipzigとそう変わらないけど。
ビックリしたのは、試験に初見演奏があるってこと。10分ぐらい、事前に譜読みして、4ページほどの曲を弾くんだけど、これが、結構難しそうな曲なのさ。ひ〜、こんなの初見でやるの〜?って感じの。
・・・ううむ。やっぱり、Leipzigよりも、レベルが高い気がする。
Leipzigの試験は、60分のソロ演奏と、コンツェルトのみ。
あああ、ライプツィヒのレベルで満足したくないがためにベルリンに住み続けているのに、やっぱり、学校が生徒に求めるレベルからして違うんだなー・・。ちょっとショック。
まあ、刺激を受けましたよ。
久しぶりのUDK、いい緊張感でございました。


で、ですね。
上手い具合にちょうど、帰る時に松本とばったり会い、2人で一緒にフィルハーモニーまで、明後日のオザワのコンサートのチケットを買いに行ったのです。
久しぶりなので、話が弾む弾む。
なんてったって、ほぼ2年ぶりかな。ホラ、松本はしょっちゅう日本に帰っていて、いつベルリンにいるんだかわかんないんですよ。そんなわけで、ずっと会ってなかったのだ。
2人で喋っていると、なんだか、昔よく一緒に遊んでいた頃を思い出して、かなり楽しくなってしまった。
彼によると「感情を抑圧した演奏」は、わざとやっていたらしい。やっぱり、試験だから、なるべく揺らさないようにしていたんだ、と。模範演奏ってヤツを意識して弾いていたんだろう。

しかし、あれですな。
日本で大活躍、いわゆる成功をつかんでいる人間ってのは、やっぱり余裕があるんですな。
話していても、自然に相手を気遣ったり、適した話題をポンポン出したり、非常に感じのいい笑顔を見せたりするのは、彼の性格なのか、長年のタレント並みの生活で培われたものなのか(笑・・・ごめん、マツキ)。
ま、もともとそういう気質はあるんでしょうね。頭のいい人ですし。
1歳年下ながら、改めて、「出来るヤツ」だと、再認識した今日なのでした。

・・・って、ベタ褒めしたんだから、実名出してもよかったでしょ(笑)?>マツキ


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