コトバアソビ。
無断引用お断り。

2003年06月15日(日) てんしのおしごと、あくまのおしごと。


あるところに泣いている女の子がいました。

彼氏から貰った

大切な記念の指輪を失くしてしまったからです。

そうしたら、天使が天から降りてきました。

「どうしたの? 泣いてるの?」

「みー君から貰った指輪・・・なくなっちゃった・・・」

「んー・・・。あ、そうだ!」

「え?」

「折角ぼくが来たんだから君を笑顔にしてあげるよ!」

「どういうこと?」

「今の彼氏よりもっと

 かっこいい男の子を紹介してあげるよ!」

「・・・?・・・」

「だからさ、もう、そんなモン探すの、よしなよ!」

天使は笑顔で言いました。


所変わって、ここにも泣いている女の子がもうひとり。

ただ、さっきの子と違って、

大好きな彼氏が病気で死んでしまったから

泣いているのでした。

そうしたら、ここには悪魔が降りてきました。

「おい、オマエ。 なんで泣いてる。」

「トモが死んじゃったからよ。」

「ソイツ、病気だったのか?」

「そう。前々から長くないって知ってた。

 でも、そばにいるだけで、私は幸せだった。

 だけど、トモ・・・もう、いない・・・」

「なぁ、オマエ。 イイコト教えてやろうか。」

「なぁに? イイコトって・・・」

「俺さ、悪魔なんだよ?」

「・・・ふぅん・・・」

「でさ、オマエの願い事、俺ヒトツだけ叶えられる。」

「え!?」

「あー、でも、生き返らせるのは無理な。

 それ、管轄外。」

「・・・そう。」

「だけどさ、それ以外ならなぁんだって叶うぜ!?

 世界一の金持ちか!?

 世界一の権力か!?

 それとも永遠に衰えない美貌!?」

「私が、望むモノ・・・」

「あー、だけどさ。

 ヒトツだけ、

 言っておかなきゃならねぇことがあるんだ。

 俺、願い叶える。

 オマエ、幸せ。

 だから俺に報酬くれよ。

 何でもいい、オマエの一番大事なものだ。

 それ与えることかまわないってんなら、

 なんでも叶えるぜ!」

「私の、一番大事なモノ・・・」

「さぁ、何でも言えよ!」

「・・・私が望むのは、トモと一緒の世界。」

「・・・え?」

「だから、トモのいる世界よ。」

「・・・だって、俺、生き返らせれないって・・・」

「報酬がいるんでしょ。

 私の一番大事なものは、

 私の命よ。

 さぁ、取って。

 それで、トモのいるところにいけるから。」

「・・・その願い、聞き届けた。」

悪魔は苦く笑いながら、涙を一粒零しました。


これが、てんしとあくまのおしごとです。



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