ある街の外れ。
ただひたすらに下へ下へと掘る男。
人々は、その男を嘲笑う。
「ねぇ、あんた。何で穴なんか掘ってるのさ?」
尋ねられた時、ちょっとだけ、
男は顔を上げて眩しそうに目を細めて
笑いながら答える。
「自分の墓穴を掘ってるんだ。」
久々に空を見たよと笑いながら。
延々延々掘る男。
下へ、下へと掘り続ける。
やがて男が見えなくなった頃、
人々は嘲笑を止め、男を蔑み始める。
何を考えているんだあいつは。
働きもしないで。
ただ無駄に下へ穴を掘るだけなんて。
きっとあれよ。
頭がおかしくなっているのよ。
そんな時に、街に落ちるひとつの爆弾。
一瞬にして壊滅する街。
助かったのは、穴を掘りつづけている男だけ。
しかし
街に爆弾が落ちたなんてことを知らない男は
今日も、
下へ下へと掘り続ける。
延々と、自分の、墓穴を。
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