「ねぇねぇお兄ちゃん、夢と現実の境って何処にあると思う?」
「そうだね、夢と現実の境か。・・・難しいね。」
「ぼく、考えたんだ。」
「何をだい?」
「もちろん、夢と現実の境についてさ。」
「ふぅん、おまえは難しい事を考えるんだね。」
「ぼく、そういうの、好きなんだよ。」
「そうかい?」
「それでね? 夢と現実の境の話なんだけど。」
「うんうん。」
「ぼくね、きっとくろねこが知ってると思うな。」
「えぇ? そりゃまた一体どうしてだい?」
「この間、ぼく、聞いたんだよ。」
「へぇ?」
「くろねこさんたちが話しているのを。」
「ほう。」
「ねこさんたちはね、みんな二本足で立ってたよ。」
「二本足でかい?」
「うん、それでね、こう言ってたんだよ。」
『やぁ、ペス、元気だったかい?』
『もちろんさ、伯爵。おや、今日はマドンナも一緒かい。』
『えぇ、お久しぶりね、ペス。今日はジスも来てるわ。』
『やぁ、ジスじゃないか!おまえ、何処に行ってたんだい!』
『ちょっと、流離ってたのさ。』
『私やジスは君達の様に囲われて生きて行けないからね。』
『まぁ、伯爵ったら。』
『鋭い皮肉だね。』
『ちょっとした、スキンシップだよ。』
『で、どうなんだい? ペスにマドンナ。』
『相変わらずね。』
『ヒトは自分の固定観念の中で生きてるよ。』
『そうしなきゃ、生きて行けないのさ。』
『弱いんだ、ニンゲンてヤツぁ。』
『自分が現実だと思ってる事が実は夢だなんて。』
『気付きもしない。』
『だから未だにオレ達が喋れる事にも気付かないし?』
『無駄吠えしてるのは自分達だって気付かない。』
『ヒトは私達にコトバが通じないって思ってるようだけど。』
『この地球の上で通じない吼え方してるのは・・・。』
『ヒトの方だと、言う事だな・・・。』
『まぁ、いいさ。』
『どうして?ジス?』
『考えてみろよ。ナァ、伯爵?』
『うむ。』
『あっ、そうか。時代がサバイバル化した時に・・・。』
『真っ先に滅ぶのはヤツらだってコトさ。』
『・・・そう言えばそうねぇ。』
『オレらがヤキモキしなくったって、自ら滅ぶって。』
『あーぁ、バカだよなぁ・・・ニンゲンて・・・。』
「ね?境について、知ってそうでしょう?」
「・・・そうだね。」
「聞いててもちょっとムズカシくてわかんなかったけど。」
「そうかい?」
「ぼく、すごくびっくりしたけど、面白かったよ。」
「お兄ちゃん、もしかしたら、わかったかもしれないな。」
「夢と現実の境のこと?」
「あぁ、そうだよ。」
「ねぇ、何処何処何処何処〜??」
「きっと、ココ、だよ。」
「アタマの・・・なかァ〜?」
「うん。」
「どうしてぇ〜?」
「だってお兄ちゃん、さっきの話はおまえの夢だと思うもの。」
「ぇえ? ぼく、うそつかないよ?」
「そう言う事だよ。」
「どう言うこと?」
「おまえには現実でも、お兄ちゃんには夢ってことさ。」
「・・・わかんない。」
「わかる日が来るよ。きっと。 おまえが大人になったらね。」
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