コトバアソビ。
無断引用お断り。

2003年03月22日(土) ある、兄弟の。


「ねぇねぇお兄ちゃん、夢と現実の境って何処にあると思う?」

「そうだね、夢と現実の境か。・・・難しいね。」

「ぼく、考えたんだ。」

「何をだい?」

「もちろん、夢と現実の境についてさ。」

「ふぅん、おまえは難しい事を考えるんだね。」

「ぼく、そういうの、好きなんだよ。」

「そうかい?」

「それでね? 夢と現実の境の話なんだけど。」

「うんうん。」

「ぼくね、きっとくろねこが知ってると思うな。」

「えぇ? そりゃまた一体どうしてだい?」

「この間、ぼく、聞いたんだよ。」

「へぇ?」

「くろねこさんたちが話しているのを。」

「ほう。」

「ねこさんたちはね、みんな二本足で立ってたよ。」

「二本足でかい?」

「うん、それでね、こう言ってたんだよ。」


 『やぁ、ペス、元気だったかい?』

 『もちろんさ、伯爵。おや、今日はマドンナも一緒かい。』

 『えぇ、お久しぶりね、ペス。今日はジスも来てるわ。』

 『やぁ、ジスじゃないか!おまえ、何処に行ってたんだい!』

 『ちょっと、流離ってたのさ。』

 『私やジスは君達の様に囲われて生きて行けないからね。』

 『まぁ、伯爵ったら。』

 『鋭い皮肉だね。』

 『ちょっとした、スキンシップだよ。』

 『で、どうなんだい? ペスにマドンナ。』

 『相変わらずね。』

 『ヒトは自分の固定観念の中で生きてるよ。』

 『そうしなきゃ、生きて行けないのさ。』

 『弱いんだ、ニンゲンてヤツぁ。』

 『自分が現実だと思ってる事が実は夢だなんて。』

 『気付きもしない。』

 『だから未だにオレ達が喋れる事にも気付かないし?』

 『無駄吠えしてるのは自分達だって気付かない。』

 『ヒトは私達にコトバが通じないって思ってるようだけど。』

 『この地球の上で通じない吼え方してるのは・・・。』

 『ヒトの方だと、言う事だな・・・。』

 『まぁ、いいさ。』

 『どうして?ジス?』

 『考えてみろよ。ナァ、伯爵?』

 『うむ。』

 『あっ、そうか。時代がサバイバル化した時に・・・。』

 『真っ先に滅ぶのはヤツらだってコトさ。』

 『・・・そう言えばそうねぇ。』

 『オレらがヤキモキしなくったって、自ら滅ぶって。』

 『あーぁ、バカだよなぁ・・・ニンゲンて・・・。』


「ね?境について、知ってそうでしょう?」

「・・・そうだね。」

「聞いててもちょっとムズカシくてわかんなかったけど。」

「そうかい?」

「ぼく、すごくびっくりしたけど、面白かったよ。」

「お兄ちゃん、もしかしたら、わかったかもしれないな。」

「夢と現実の境のこと?」

「あぁ、そうだよ。」

「ねぇ、何処何処何処何処〜??」

「きっと、ココ、だよ。」

「アタマの・・・なかァ〜?」

「うん。」

「どうしてぇ〜?」

「だってお兄ちゃん、さっきの話はおまえの夢だと思うもの。」

「ぇえ? ぼく、うそつかないよ?」

「そう言う事だよ。」

「どう言うこと?」

「おまえには現実でも、お兄ちゃんには夢ってことさ。」

「・・・わかんない。」


「わかる日が来るよ。きっと。 おまえが大人になったらね。」




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