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2005年05月15日(日) ■ |
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忌野清志郎の「ロックの危機」 |
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日刊スポーツの記事「日曜日のヒーロー・464」より。
(活動35周年を迎えたミュージシャン、忌野清志郎さんのインタビュー記事の一部です。)
【インタビュアー:反骨のロック人生にも重大な危機があったとか。
清志郎:17年前、カミさんが妊娠した時。本当に焦った焦った。子持ちのロックンロールがイメージできなかった。オヤジになった清志郎が想像できなくて。絶対これはやばいなと。生まれたら、もうロックなんかできないと本気で思ってました。どんどんお腹がふくれてくるし、もうどうしたらいいんだと必死に考えました。
インタビュアー:結論は
清志郎:生まれたことをひた隠しにする(笑い)。それで生まれるまでに思い切りたくさん曲を作る。それを年に1,2枚小出しにして、食いつなぐ(笑い)。本気で思ってました。1ヵ月間ほとんど寝ないでスタジオにこもり、40曲ぐらい作りましたもん。
インタビュアー:誕生後は
清志郎:こんなにかわいいものが世の中にあったのかって(笑い)。隠すどころか、かわいいんだと自慢したくてしょうがなかった。仕事場にも連れていきました。子連れ狼みたいにベビーカーをガラガラ押して。子供にはいろいろ教えられました。好きなことはやるけど、嫌なことは泣いてやらない。バンドが解散したり、レコード会社ともめたり、社会や人間の嫌なものをだいぶ見てきたけど、こいつは何て自由なんだと。価値観が変わりました。音楽への影響?ロックの危機ってことはなかったなあ。一体あの焦りは何だったんでしょうね。】
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清志郎さんにとっては、まさに「案ずるより産むが易し」という結果になったみたいです。 子供が生まれるなんて、ロックの危機だ!なんて、傍からみれば「そこまで深刻にならなくても…」という感じなのですが、父親になるという「安定感」みたいなものと「ロックの精神」とは相容れないものだと、そのころの清志郎さんは思っておられたのでしょうね。 それにしても、「子供なんて欲しくない」という人ほど、実際に自分の子供を持つと親馬鹿になってしまう」という話をよく聞きますが、この清志郎さんのコメントを読むと、確かにそういうものなのかもしれないなあ、と感じます。「子供」という存在に、期待していないというと語弊があるのでしょうが、それによって「失ってしまうもの」を数えてしまう人ほど、意外と、「子供によって得られるもの」の大きさに驚かされる面もあるのかもしれません。自分のこととしては、「子供がいたら、自分の自由な時間がもっと少なくなってしまうし」とか、「子供とはいえ、他人の人生に責任を持つのは大変そうだな」とかいうことを考えてしまうのですが、けっして、「悪いことばかりじゃない」のですよね、きっと。 人間というのは、後から思い出すと失笑してしまうようなことで、悩んでしまうものみたいですね。先のことをいろいろ悩みがちな、もう若くない独身男としては、なんだかちょっとホッとするような話です。 僕はロッカーじゃなくて、単なるモラトリアマーなんですけどねえ。
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