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2004年10月27日(水)
「電車男」よ、どこへ行く…

eiga.comの記事より。

【今年の3月から5月にかけて、掲示板サイト2ちゃんねるで話題を呼んだ電車男のエピソードが本になって人気を集めているが、出版元の新潮社には映画化のオファーが殺到しているという。

 「電車男」とは、生まれてから一度も彼女のいたことがなかったアキバ系のオタク青年(後の電車男)が、ある日電車の中で女性に絡んだ酔っぱらいを撃退したことから、恋が芽生えていく過程を記録した純愛ストーリー。女性と接した経験が一切ない青年を、2ちゃんねるの住人たちが煽り、励まし、デートの指南をし、交際が発展していく様が、独特の臨場感や一体感とともに綴られている。
 
 新潮社の「電車男」は10月22日の発売から、3日あまりですでに5刷、12万5000部を出荷したという。また、同書の発売をアナウンスした9月上旬には映画化に関する問い合わせが入り始め、これまでに大手映画会社、テレビ局などから10本以上のオファーが届いているそうだ。気になる映画化について、新潮社の編集担当者は「ようやく書店に並び始めたところで、映画化をするかしないかも含め、まだ何も決まっていない状態」と語っている。いったいどんな形で映像化するのかを含め、行方の気になるプロジェクトである。】

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 本当に、もし「映画化」されるとしたら、どんな形になるのでしょうか「電車男」。
 実は僕がこの「電車男」の話を知ったのは、もう「完結」(?)してしまった後なので、たぶんこれをリアルタイムで観ている人は、もっと面白かったんだろうなあ、なんて思いながら読んだんですけど。
 
 この「書籍化」に関しては、「どうしてネットで読めるものをわざわざ書籍の形で読む必要があるのだ?」なんて疑問の声も上がっていて、僕もそう思っていましたが、今日行った本屋では、なんと平積みにしてあって、なんだか友達が出世したような気分になってしまい、ついレジに持っていってしまったのです。
 『新潮社』なんてメジャーな出版社から、しかもこんなに話題になって世に出るなんて、偉くなったなあ、と感慨に浸りつつ。
 書店のレジの女性店員さんにお金を払いながら、「この人は、この本のことを知っていてディスプレイしたのかな、ひょっとしたら2ちゃねらー?」とか妄想を抱いていたんですが、この記事を読んで、「単なる売れ線として並べられたのかな?」という気もしてややガッカリ。
 そんなにみんな買っているんなら、僕は買わなくても良かったかな…と僻んでみたり。
 
 たぶん、「電車男」って、ネットを知っている人のほうが面白く読めるし、「ネットでリアルタイム」⇒「ネットで話題になってからまとめ読み」⇒「書籍で」という順番で面白さは減衰していくのだと思います。ネットを知らない人なら、あの「2ちゃねらー用語」とか「アスキーアート」だけで引いてしまうかもしれないし。
 でも、こういうのは僕の勝手な思い込みで、日頃ネットに接していない人は、むしろ「新鮮で面白い世界」と感じることもあるのでしょう。
 あの「世界の中心で、愛をさけぶ」だって、いわゆる「読書人」には「ベタすぎる」とか「古くさい」なんて酷評されていたにもかかわらず、最近の調査では「若者が本を読むきっかけになった」なんて話もあるみたいですから。
 これで、「犯罪の温床」というイメージを持っていた「2ちゃんねる」アレルギーの人も、イメージが変わったりもするのかな。

 それにしても、この本の印税は、どこに行くんだろう。中野独人さんって、「電車男」さんなんでしょうか?掲示板に書き込みしていた「名無しさん」たちは、印税もらえないんだよなあ。

 「本当に実話なの?」とか聞くのは、野暮ってものだとは思うけどさ。