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2004年03月13日(土) ■ |
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大部分の日本人が興味ない「九州新幹線、本日部分開業!」 |
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読売新聞の記事より。
【九州新幹線の新八代―鹿児島中央間(127キロ)が13日、開業した。鹿児島中央駅(鹿児島市)からは午前6時に「つばめ30号」が、新八代駅(熊本県八代市)からは同6時40分に「同101号」がそれぞれ座席数(392席)を超える満員の乗客を乗せて出発した。
開業により、これまで特急で2時間2分かかった新八代―鹿児島中央間は最短34分に。博多―鹿児島中央間は新八代で新幹線と特急「リレーつばめ」を乗り継ぐことで、従来の3時間40分が最短で2時間10分に縮まった。
全線開業すれば、博多―鹿児島中央間は1時間20分で結ばれる。全線開通は2010―12年度末になる見込み。
九州新幹線の新車両「つばめ」は800系。乗り心地を重視したデジタル列車自動制御装置を備えているほか、1000メートルにつき35メートル上昇する急こう配があるためモーターを全車両(6両編成)に取り付けている。
鹿児島中央駅では、未明から始発列車の自由席を求めて200人以上が列を作った。午前5時過ぎから始まった式典で、石原進・JR九州社長は「開業による時間短縮効果は極めて大きい。早期全線開通に向けて努力したい」とあいさつ。
須賀竜郎・鹿児島県知事は「県民が待ち焦がれていた新幹線。鹿児島中央駅をわが国の南の起点として発展させたい」と述べ、整備計画決定から30年余りを経て悲願を実らせた地元の思いを代弁した。】
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今日、ついに九州新幹線が部分開業しました。とはいえ、このニュースって、たぶん九州以外の人には「ふうん」って感じなのかもしれないなあ、なんて思いますけど。 実際、ほんとうにこれに喜んでいるのは、九州全体というより、鹿児島の人と一部の鉄道マニアだけなのではないか、とも感じてしまいます。 その他の人たちについては、そんなに頻繁に利用するとも思えない路線、ではありますしね。 しかし、九州全体でみると、これで博多と鹿児島の間の距離は、ずいぶん近くなりました。今まで鹿児島から博多に行くには、片道3時間40分かかるわけですから、よっぽど無理をしない限り1泊することが必要だったのですが、今回の開通で2時間10分になったことによって、日帰りでイベントや買い物などに行くことだって可能になったような感じです。全線開通すれば、九州の北から南まで1時間20分!小倉から鹿児島まででも1時間半になるわけで。 この九州新幹線というのは、「九州をひとつにする」という意味では、意義深いものかもしれません。でも、その一方で、博多への一極集中化と、九州内での「格差」を生み出してしまう可能性が高いような気もします。地図上の距離よりも、新幹線が近くを通っているかどうかで、実質的な「行くのに必要な時間」というのが変わってきますし。もともと九州内でも福岡からみれば、大分とか宮崎とかは、実際に行くとなるとちょっと交通が不便で、「距離を感じる」ものですから。
この新幹線、着工までは、「そんなもの、必要なの?」という議論がけっこうありました。でも、実際に完成してみれば、祝賀ムード一色。まあ、できて、動き出してしまったものにネガティヴキャンペーンをやっても仕方ない、ということなのかなあ。 実際に開通すれば「それで助かる人もいる」のだし、地域の活性化には役立つとは思います。こうやって道路公団も、高速道路をたくさん造ってきたのでしょうし、できてしまえば、それなりに役に立つのは間違いないし。 でも、「30年の悲願」とは言うけれど、実際、30年前ほど切実にみんな新幹線を必要としているかと言われれば、どうかなあ、とか思うんですけどねえ。
もっとも、この九州新幹線の評価は、博多〜鹿児島中央の全線が開通しないと、なんとも言えないところがあるのも事実です。東京から鹿児島まで1本に繋がれば、またそれには大きな意義があるかもしれません。しかし、そうなるとやっぱり搭乗手続きの煩雑さはあるものの飛行機のほうが…という気もするし。 「無いよりは、あったほうがいい」のは間違いないとは思うけど、コストに見合っただけの価値があるのか?ということになると、疑問ではあるのです。 そもそも、新幹線なんて、日本の隅々にまで通す必要があるのでしょうか? 「日本の大動脈」なんて言われますけど、大動脈って手や足の先までは通ってないのに。
なにはともあれ、「つばめ」は、今日から走り出しました。僕もそのうち利用すると思います。なんのかんの言っても、速いほうを選んでしまうだろうし。
しかし、たまにしか利用しない僕としては、九州がここまで狭くなってしまって、旅情みたいなものが失われていくことに、一抹の寂しさがあるのも事実。 34分って、ちょっと速すぎるよなあ。本の一冊も読めないや。
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