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2004年02月21日(土) ■ |
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「名物に旨いものなし」 |
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「ファミ通2004/2/27」(エンターブレイン)の記事「チャイナフーズクロスレビュー」より。
(編集者・針生セットさんが、中国・北京の屋台街で見つけた食材、セミ・サソリ・タツノオトシゴ・ヘビ・カイコを食べての感想の記事です)
【<今週のコレ食え> サソリ。スナック感覚でイケる。にしても通訳のヤンさんに「中国の方はけっこう食べるんですか?」と尋ねると笑いながら「中国人、こんなもの食べません」だって。店員が食べている僕を見ながら大爆笑していたのも納得。盛り上がったしね。】
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「名物に旨いものなし」 という有名な格言があるのですが、このエピソードなどは、まさにその具体例かもしれません。 もちろん、現地の人にしかわからない味、というのも厳然として存在するのでしょうが、多くの場合において、「美味しいもの」に対する感覚には、国境を越えて近いものがあり(とまで言い切ってしまうのは極端かな)であり、本当に美味しいものは、「その場所でしか獲れない」とか「生産量が少ない」とかの制約がなければ、「地元だけの食べ物」にならずに、もっと広い地域に拡散していくはずですから。
僕の地元にも海の浅瀬に棲む生き物の名物料理があるのですが、正直、地元の人はほとんど食べません。見かけもグロテスクで、堅くて味もしないし、美味しいとは思えない。でも、観光客には、「地元の自慢の料理」として供してみたりするわけです。それをみんな「珍しいですねえ」なんて言いながら、喜んで食べていたりするわけです。食べ始めると、思わず沈黙に包まれながら。 ほんと、「名物に旨いものなし」とはよく言ったものだなあ、と。
昔テレビでいかりや長介さんや川口浩さんが、アフリカの部族を訪れて、地元の人の歓待を受けたのはいいものの、ヤギの生き血とか動物の生肉とかを供されていたのを思い出します。 「これは歓待の印だから、客人は喜んで食べないといけない」とかいうナレーションとともに。 ああいうとき、もしあそこにいるのが自分だったら、なんて想像すると、ちょっといたたまれない気持ちになっていました。僕はあれを食べられるだろうか?なんて。 いやほんと、相手が善意であるだけに辛い状況というのもあるのですね。 「食べ物が口に合わない」というのだけは、短期間の努力や気持ちでどうこうできるものではないですし、そういう意味では、なんでも美味しそうに食べられる才能って、けっこう羨ましい、と最近つくづく思います。
確かに「地元の名物料理」のなかには、けっこう「地元の人は食べてない」ものって、多いですよね。 この中国の例みたいに、旅人は地元民気分なのに、地元の人は「あんなもの食べるなんて物好きだな」と笑っていることって、よくあるんじゃないかなあ…
世界中の人々が同じものを美味しいと思って食べているという状況も、異常だとは思うのだけど。
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