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2004年01月27日(火)
「うそは泥棒の始まり」

読売新聞の記事より。

【福田官房長官は27日午前の記者会見で、民主党の古賀潤一郎衆院議員の学歴問題について、「過失なのか、うそをついたのか。うそは泥棒の始まり(というが)、簡単に考えていいのか。あとは本人の判断だ」と述べた。

 また、古賀氏が議員報酬を受け取らない意向を示していることについても、「いろいろな発想をするが、上塗りの様になって、格好悪いだけだ」と、批判した。 】

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 まあ、ウソに決まっているんですけどね。
 自分が卒業したかどうかなんて他人任せにしているわけもないし。
 でも、この官房長官の言葉は、いくらライバルの党の議員の失態に対する言葉とはいえ、あまりに下品なのではないかなあ、と思うのです。

 「うそは泥棒の始まり」
 この言葉を耳にしたことがない人はいないでしょうし、親や先生から面と向かって言われたことがある人も多いのではないでしょうか?
 でも、この言葉を浴びせられて、不快になりこそすれ、「人生の役に立った」と思う人は少ないような気がします。
 それは、この言葉自体が「うそをつくような奴は、どんどん悪いことをやっていくはずだ」という負の推測に基づいているから、だと思うのです。
 「信じてくれてないんだな」というのが、ヒシヒシと伝わってくるんだよなあ、この言葉。

 「ウソをつく」というような「些細な悪事」が「もっと大きな犯罪」への入口である、ということは理解できます。それはまた、人間の真理でもあるんでしょう。
 ただ、政治をやる人間というのが、むやみやたらとこういう疑心暗鬼の発想を口にするのはどうなのかな、とも感じます。
 一国民としては、将来、ちょっとした罪でも「泥棒の始まり」とかいって罰せられるのではないか、なんて危惧してしまったり。
 だいたい、この人たちは、「自分の仲間のウソにはものすごく寛容で、敵のウソに対しては、ものすごく狭量」なんだよなあ。もし自民党の議員が起こした問題だったら、官房長官もこんなことは言わなかったはずで。

 僕は、古賀潤一郎議員の往生際の悪さにはあきれているのですが、「学歴」なんて白黒ハッキリしたところに対する詐称で彼を叩いている人たちが、自分の「公約」とかに対して、ウソをつきまくっているのには、なんだかとても情けなくなります。
 公約って、「ペパーダイン大学卒」とかいう学歴より、よっぽど大事なことのはずなのに。

 いやまあ確かに、得意の絶頂だった古賀議員が苦し紛れのウソをつきまくっているのは、滑稽で面白いですよ。でも、同じ国会議員としては、マスコミ経由で彼を笑いものにする前に、むしろ自ら襟を正す、いい機会だと思うのですが。

 医療ミスの報道を観て、「あいつらバカだなあ」という医者と「自分も気をつけなきゃなあ」という医者、どちらが信頼できますか?