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2002年12月11日(水)
「オバちゃん化」のターニングポイント。


「むはの断面図」(椎名誠著・角川文庫)より抜粋。

【ぼくはいま、「日本のオバチャン学」というものを研究しつつあるのだが、日本国民の中でいま一番強いリアルワールドチャンピオンは、このオバちゃんなのである。

(中略)

 そして思うのだけれど、オバちゃんというものは一体どのへんから派発生してくるのだろうか。それは普通に考えて、たとえばつまり若い女→ヤングミセス→ミセスという基本的三段階の女性の進化と成長というのは、ある程度わかる。読みとることができるのである。
 ところが、このミセスからオバちゃんという四段階目の変わり目がどうもよくわからない。あの比較的静かで控え目で、まあわりと細オモテのミセスが、いつ獣人ゴルドバ的日本のオバちゃんというものに変わっていってしまうのか、どうもそのへんの「変わり目」がいまひとつ、つかみきれないのである。】

〜〜〜〜〜〜〜

 ひとつ、おことわりしておかなくては。この文章は、椎名誠さんが1986年に出された単行本の文庫化ですから、現在も椎名さんが同じように考えられているのかどうかは、不明です。
 でも、確かに、この「変わり目」というのは、僕にとっても謎なのです。
 ちょうど30歳の僕の同級生たちは、そろそろヤングミセスからミセスへの転換期を迎えるはずなのですが、だいたい、結婚している人も少ないですし。
 まあ、「オバチャン化」は、現代では、結婚している人にだけ起こってくる現象ではないような気はしますけど。
 僕の彼女は現在26歳なのですが、彼女のお母さんに会うたびに、「う〜ん、将来はこんな感じになるのかなあ」と感慨深いです。お母さんは、ほんとにいい人なんですが、けっこう元気でよく喋る方で、僕はもう、毎回タジタジで、話していても返事は「ハイ」ばっかで、会話を成立させられない。いや、情けなし30オトコ。

 椎名さんもわかって書かれていると思うのですが、細オモテのミセスは、たぶん「獣人コルドバ」にならないと思うんですよね。
 たぶん、獣人化するのは、もともと「プチ獣人」なんじゃないかなあ…違う?
 小学校のころでも「オバちゃんくさい女の子」いたしなあ。
 でも、当時のオバちゃんくさい女の子の率と街でみかけるオバちゃんの率では、明らかに、オバちゃん含有率は年齢が上がるにつれてアップしている印象があるのです。
 やっぱり、どこかに、そのターニングポイントがあるんでしょうね。

 ただし、「オバちゃん化」は、個人的な変化というよりも、団体行動時の日本人の特性なのかなあ、とも思うのです。
 海外旅行に行く日本人の男の団体も、ある意味「オバちゃん化」してますしね。
 仲間がいるからといって、恥じらいを忘れるのは、ちょっと情けない。

 しかしながら、「灰になるまでまでオンナ」とかいって、反社会的行為を正当化しようとする人々も(いや、どうしようもない恋愛感情ってのは、わかるんです。でも、ネットには「劇場型」のこの手の女性がけっこういるような気がします)、ある意味、「オバちゃん化」しているんじゃないかと思います。

 「みんなやっているから」という理由で、自分を正当化するのが「オバちゃん化」だと僕は感じているんですけど。