私はまだ、自分は子どもなのだと思っていた。 常に保護者を必要とし、自分の意思は他人の意思で、そこに責任なんかなくて。 まだ、護られる側だと思っていた。 …ついこの間までは、確かにそんな存在だったのに。
『大学生』って、なんて中途半端なんだろう。 成人はしていない、まだ未成年のくせに、扱いはもう子どもじゃない。 子ども、と呼ばれる人たちを、護るべき側に立っている。 授業で子どものことを習っても、そこに自分は含まれていない。 …何だか、少しだけ寂しい気持ちになった。
でも、誰も『大人』とは呼んでくれない。 子どもじゃないのに大人でもないらしい。 じゃあ、私達は何なんだ?
絵に描いたようなモラトリアム期。 昔の人は、よくもこんな言葉を思いついたものだと思う。
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