ごめんなさい。 役に立ちたいの。支えになりたいの。 なのに。 なのに、私は
授業で、悩みを抱える子ども達のビデオを見た。 リスカをしている人。同級生を殺そうとした人。不登校の人。 私と、似たひとたち。 私が、将来向き合いたいと思っている人達。 なのに。 …似てる、から。 似ているから、酷く感情移入してしまって。 視界がぼんやりした。何度も瞬きを繰り返した。 それでも、乾ききらなかった粒が、頬を伝った。
それだけなら良かったのに、涙と一緒に湧いてきたのは …ぐるぐると脳内を巡るのは、憎らしい程の自傷衝動。
お手洗いに駆け込んだ。 ガチャガチャと筆箱を漁った。 見慣れたカッターを探した。 何処にもなかった。
叫び声を喉で潰した。 手から筆箱が滑り落ちた。 身体も崩れて、便座に腰掛けた。 さっきとは違う涙がぼろぼろ零れた。
私は、ひとに何かを教えられるような人間じゃない。 過ちを知りながら、同じことをして、そして生きている。 こんな不恰好で不自然な人間が、生も正も説ける筈がない。 …私は、子ども達と、向き合っちゃ、いけない。
夢は夢で終わらせておけば良かったんだ。 キレイな憧れのままでしまっておけば良かったんだ。 私なんかが追いかけられるものじゃなかったんだ。 ごめん、ごめんね、軽々しく目指そうとして、ごめんなさい。
あと、四年弱。 多分、それが全てのタイムリミット。
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