2006年10月30日(月) |
7月24日通りのクリスマス |
監督:村上正典 出演:大沢たかお 中谷美紀 佐藤隆太、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 長崎に住む地味で冴えないOLサユリは、「ポルトガル・リスボン」が我が町長崎に似ていると思い込み、自分はリスボンにいるのだと妄想して過ごしている。現実の恋愛に目を向けない彼女の楽しみは、周囲の男性に「私の王子様ランキング」を密かに付ける事。そんな彼女の「王子様ランキング」の長年1位を独走し続ける学生時代からの憧れの先輩「聡史」に再開し、更に聡史といいムードになって来て舞い上がるサユリだったが・・・
【感想】 山本周五郎賞や芥川賞等を次々と受賞している吉田修一氏著の小説「7月24日通り」を映画化。 これを昨年「電車男」で大ヒットを飛ばした村上正典氏がメガホンを取り、イケメン先輩・聡史を大沢たかお、冴えないOLサユリを「嫌われ松子の一生」で一気に「美し過ぎるキワモノ女優」に昇格した(ん?)中谷美紀が演じています。
舞台はクリスマスまであと1ヶ月という長崎の街。 ドジばかりで見た目も冴えないネガティブ女が憧れのイケメン先輩と再会し、更に意外な事に先輩の方もまんざらでもないんじゃないの?と舞い上がったネガティブ女は、今まで自分とは無関係のモノだったハズの「現実の恋愛」が今正に我が身に光臨!と、必死に自分改造して彼にお似合いの女性になろうと孤軍奮闘する・・・という話です。 何だかちょっと感じの悪い書き方になってるなぁ、自分。でもまあそんな感じの話ですよ(苦笑)
そもそも中谷美紀嬢がとてつもない美女だというのが判っていて見てるので、映画序盤の「ドジで冴えないOL」の様子が共感を得るというよりも「頑張ってブサイクを作ってるなぁ〜」という感じですね。 ファッション誌を買い込んで必死にオシャレしたり化粧したりして頑張ってる様子はとっても微笑ましいですが、最終的に誰が見ても振り返るような美女になるのは織り込み済みなので、変身後を見ても「サユリちゃん、よく頑張ったネ♪」という気持ちにはとてもなれない。・・・所詮はブスのひがみですか?ああソーデスカ(涙)
映画の展開としてはコメディっぽく見せて行って、終盤で一気にロマンティックモードにフルスロットル!という、よくありがちなロマコメ映画の王道みたいな感じなんですが、そもそもこの話がクリスマスに照準を当てている理由がよく判らない。 別にクリスマスである必要は全くないと思うし「クリスマスまであと○日」みたいなカウントダウンをしている割には、クリスマスというイベント自体にはほとんどスポットが当てられていない。 今年の冬のデートムービー大本命にしたいが為に、無理矢理クリスマスネタにしたんじゃないの?と勘繰りたくなる。
中谷美紀のコメディエンヌっぷりよりも、むしろ脇役の光る作品でしたね。 特にサユリの幼馴染みのマンガおたく青年を演じた佐藤隆太クン、それからサユリの父と父の恋人を演じた小日向文世サンとYOUちゃんのコンビは秀逸でした。次点で劇団ひとりサンと上野樹里ちゃんかな。 映画の面白い部分のほとんどを彼ら脇役のキャストが担ってくれて、肝心の主人公2人の様子には興味が湧かないっていうのはちょっとどうなんだろうなぁ〜?と思うんですが。
この作品、いわゆる「韓流ロマコメ」に非常に展開が似てるんですよね。 だから韓流ロマコメが大好きな人には馴染みやすい反面、それに飽きちゃった人には「またコレかよ」という気分になる。 更に言えば、どうして聡史がサユリに好意を持つのか今一つ説得力に欠ける。 加えて言うとサユリが余りに卑屈過ぎて(弟の結婚を反対するくだりなんてかなりムカ付きましたね)、常にポジティブシンキングで脳味噌がお花畑状態なぴよには「お前が不幸だからって周囲まで感染させんなよ!このクソ女!」にしか見えなかったんですよ(苦笑)
まあ、そうは言ってもデートムービーとしてはオススメ出来ます。 要するに「予定調和なロマンティック・コメディ」という手合いなので、カップルもカップル未満の2人も安心して楽しめるステキ恋愛映画、というカテゴリなのは間違いないでしょう。
結局この映画を見て吠えてるぴよが「オマエこそ卑屈ぢゃねーか」とツッコミ入れられる、というオチですか(涙)
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