監督:佐々部清 出演:吉岡秀隆 石田ユリ子 尾高杏奈、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 将来を嘱望されたピアニスト如月敬輔は、留学中のロンドンで暴漢に襲われた家族を助けようとして薬指の神経を断裂、この事件で両親を失った少女・千織を引き取った。千織はサヴァン症候群という脳の障害を持つものの、彼女の音楽の才能を見抜いた敬輔は、自分の代わりに千織にピアノを弾かせて全国の施設を慰問する日々を送る事となった。ある日訪れた療養センターで敬輔達を待っていたのは、彼を「初恋の人」と密かに慕う岩村真理子だったのだが・・・
【感想】 浅倉卓弥氏のデビュー作にして、宝島社の「このミステリーはすごい!」第1回大賞受賞作品の映画化。 出版されたのは2年前だそうですが、今尚売れに売れ続けて100万部突破したそーです。もっとも今回映画化された事で更に増版されたみたいですよね・・・最近本屋に行くと、大抵一番目立つ場所に平積みされてますから。
原作未読のぴよなので(←いつものパターン。苦笑)、この映画だけに限ってしか語れませんが、 少なくとも映画化された本作は「ミステリー」じゃなくて「ファンタジー」というカテゴリーに入ると思いますよ。 公式サイトの「STORY」に記載されているのでネタバレじゃないと思うから書きますが、ネタはある事件がきっかけで千織の体の中に真理子の魂が宿ってしまうという話です。 多分千織の魂は事故で危篤状態の真理子の体の中にいるんでしょう・・・多分ネ(^-^;
ま、そんな訳で今まで数多く発表された「魂と体の入れ替わりネタ」なので、先の展開ミエミエです。 映画の作りを見れば誰もが納得出来ますが、驚きの展開なんてある訳ない作りですので、安心して見ていられる代わりに面白味はほとんどないという、「泣きたいヤツは好きなだけ泣いていいからネッ♪」的な・・・「セカチュウ」「今会い」に続くありきたりなファンタジー映画になってました。
んー。きっとこの映画見て「感動しました!」「涙なしには見れませんでした!」「癒しと再生を体現させる・・」という気持ちになる人がきっと大半なんだろうなぁ、と思いながらシラッとした気分で見ていたぴよです。 きっと性根が腐ってるんでしょうねぇ。えぇ。(薄涙)
割とツッコミどころも多いのですが、千織役の尾高杏奈ちゃんはなかなかの逸材です。 1000人のオーディションを勝ち抜いて抜擢された新人さんらしいですが、サヴァン症候群という難しい障害を持っている少女の役と、真理子の魂が乗り移った大人びた口調(と言うか石田ユリ子っぽい喋り)の使い分けが実に巧みでしたね。 難を言えばラストシーン辺りが映画冒頭よりも明らかに滑舌が良くなってる事と、ビジュアル的に華がない事か。 今後の彼女の成長ぶり次第では、もしかしたら大化けするかもしれません。もっと痩せましょう(コラ)
かなり違和感があったのが主役の敬輔を演じた吉岡秀隆クンか。 彼のファンは多いと思うので余り吠えると呪いのメールが届きそうで怖いんですが(苦笑)、彼に何の思い入れもないぴよが見ると「吉岡クンはいつも困った顔をしているだけでキャラクターが変わらない」という感じがするんですけど・・・
「呪いのメール」送信決定でしょうか?(^-^;
同じく療養所の医師・倉野を演じた西田敏行氏、彼もなんだかなぁ〜・・・なキャラでした。 ちなみにラストの倉野夫婦のシーン、あれは蛇足だと思いますよ。「まさかやるんぢゃねーだろーな」と思ってたら本当にやっちゃうんだもんなぁ〜!あのシーンははっきり言うけどこの作品を安くさせてますって!! 原作とどれくらい本作が違うのかわからないけど、少なくとも映画だけを見たぴよにとって、この映画を見た事で原作が是非読んでみたい!と思わせるだけの気持ちにはなりませんでしたねぇ。(薄涙)
吠えまくりですけど、多分世間的にはウケが良さそうな予感です。 愛と涙と感動の約2時間・・・素直に映画見て泣ける方でしたらきっとご満悦になる事でしょう。 でもぴよと似たよーな感覚の持ち主にとっては「底の浅いありがちなファンタジー」で片付けられそうです(笑)
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