ぴよの映画めった斬りコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2004年10月26日(火) 世界でいちばん不運で幸せな私

監督:ヤン・サミュエル
出演:ギョーム・カネ
    マリオン・コティヤール
    チボー・ヴェルアーゲ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
ジュリアンとソフィーは幼いある日ゲームを思い付く。それは相手から仕掛けられた「お題」に必ず応え、応えられたらお宝のブリキ缶を相手に手渡して次のお題を相手に仕掛ける、というものだった。それから10年後、成長した2人は相変わらずゲームを続けていた。ただゲームに縛られる余り、お互い愛し合っている事を認め合うチャンスを逃していたのだ・・・


【感想】
イラストレーター、漫画家、絵本作家等として既にマルチな才能を開花させているヤン・サミュエル氏の長編映画監督デビュー作品。本作は03年にフランスで公開されるや140万人という驚異的観客動員数を記録し、ヨーロッパ各国で大絶賛されて映画の核になるセリフ「のる?のらない?(Cap ou pas cap?)」は流行語になったそーです。

フランス映画、しかも「ロマンティック・ラブコメ」と聞いて誰もが頭に思い描く作品と言えば「アメリ」でしょ。
本作も多分にアメリの影響を受けているなぁ、という印象があります。更に「イラストレーター・漫画家」という別の顔を持つ監督ならではのコケティッシュでコミックちっくなイラストと映像の融合等、独特の映像世界を作っていて、ぴよは結構こういう雰囲気好きなんだけどネ♪

そんな本作、しかしながら「アメリ」を期待している人にはちょっとギョッとする展開ではあります。
アメリは主人公のイタズラ心が周囲の人をちょっぴり幸せにする、というふんわりした優しい展開でしたが、この作品のジュリアンとソフィーの2人が続けるゲームは明らかに周囲に迷惑をかける悪辣なモノ。
「ちょっぴり迷惑」程度ならまだしも、この悪辣なイタズラはどんどん年齢を重ねる毎にエスカレートし、最終的には社会ルールを無視して家族や周囲を巻き込んだかなり感じ悪いレベルにまで到達。

一度は人生の軌道修正を試みたジュリアン達だけど、お互いが求める気持ちがそのチャンスをぶち壊しにして更に悪化の一途と辿る。この映画は「好きな気持ちを打ち明けられないで意固地になってる間に、お互いの気持ちを素直に表現出来なくなってしまったファンタジー」なのか、それとも「まずゲームありき。ゲームを続ける事こそがお互いの愛の確認作業になるという変態達の話」なのか?
きっとカテゴリ的には前者のファンタジーなんだろうけど、どう見ても変態話としか思えません(笑)

アメリの亜種と考えるとそーなんだけど、それにしても本作の根底に脈々と流れるどす黒い何か(謎)が、この作品を一筋縄ではいかない変態世界に誘って行くのですわ。いや結構笑わせてもらったんだけどサ。

でも笑わせてもらってもどす黒いよ(^-^;
ここまで散々だったんだから、最後くらい気持ちよく終わらせてくれてもよさそーなもんだけど、それでも最後の最後までどす黒いんだから(苦笑)
一応「本当だったらこーなったのにね?」みたいな映像出ますけど、でもどす黒いヨ(爆)

どす黒いんだけど、でもやっぱりファンタジー。
何とも不思議な作品ですわ・・・アナタはこの映画に「のる?のらない?(Cap ou pas cap?)」







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