甲斐犬ジロー通信
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2011年06月05日(日) ジロ母のつぶやき

今日は福島県、栃木県で迷子犬探しをしてきました。
保護施設を巡り、行方不明の愛犬を探するのを、りゅうママさんに
お願いして車を出して頂き、後部座席にはガードワン銀ちゃんが
凛々しく

「おいらにまかせろワン!」

と頼もしく胸を張ってくれました。





いろいろな場所を巡りましたが、ある山の中を走って居た時、偶然にも「福島県動物救援本部」の保護施設に辿りつきました。

震災と原発で混乱している時、被災動物に迄、救援を立ち上げる事は
物凄い英断だと思うし、職員を現場に差し向けている事にも驚きです。
震災に遭った岩手県、宮城県、福島県で県の行政が事務局になっているのは福島県だけで、他の地域は獣医師会が事務局になっています。
と言う事は福島県は原発の問題を抱えているために、人任せにせず
いや出来ず、職員さんがフル稼働して、どうにかしなければならないのが現状なんだと感じます。

あまり詳しい事は書けないのですが、許される範囲で私達が現場を見て
そして聞いて、肌で感じた事を少し皆様に聞いて頂こうと思いますので
お付き合い下さい。


ご承知の通り現在原発20K圏内には県の職員以外、許可なく入る事は出来ません。
ですので、民間の愛護団体、個人でのレスキュー隊も撤収されています。
テレビ報道では置き去りにされた動物が、見捨てられているかのように
悲惨さを訴えるものもあり、ジロ母もそういう映像を見せられると
いったい行政は何をやっているんだ!と怒り爆発しまくっておりました。


しかし現場を歩くと
映像には見えないものが見えてきます。
実際には
県の職員さんが毎朝20K圏内に入り、動物を手なずけ餌付けし
レスキューをされている事、そして収容施設では県の愛護団体さんというか
被災犬を放っておけない現地の被災者さんが少ない人員でローテーションを組んで、お世話をしている事。
決して充分なスタッフで行っている訳でなく、職員さんと共にケアーをしています。
都会の犬と違って、被災犬は普段から自由気ままに「思いつき散歩」
の習慣が付いているため、リードを付けての散歩は慣れない子達がほとんど、脱走もあり得ます。
素人のボランティアがお手伝いしきれない事情もあるわけです。
行政は規制が多いので、思い切った策を下せない事はこの震災で誰もが
歯がゆく苛立ちを感じていますが、長い事その規制の上でお役所仕事をして来たのですから、民間のような方向転換は出来ません。
しかし末端の職員さんはかぎられた範囲で、且つ慎重に活動せざるを得ないということを理解しながら、休み返上で働いている訳で私が感じるに

働けど働けど我が命窮するかな。。。。

そういう危機感を感じ、もう頭を抱えてしまいます。
それに比べ、民間の愛護団体さんはすべて自己責任の元で動いているので
噛みつかれようが引っ掻かれようが、柔軟に活動が出来、特別資格を持たなくても、意欲のある人が自分の意思で行動できるのです。

みなしご救援隊」さんの栃木拠点に、りゅうママさんが連れて行ってくださり、保護しているワンちゃん達にも会いました。
病気の子、噛みつく子、怪我している子も居ます。
健常犬以上に大事にお世話されていて、心からお世話をしたいと集まったボランティアさんの情熱と代表の中谷さんの心意気が何よりも心強いと感じる逞しき現場です。
でも、行政も民間も悩みは物資や病気治療費、拠点の費用だと感じます。

物資は「緊急災害時動物救援本部」(母体は(財)動物愛護協会)が各、災害動物の保護活動をしている団体さんからの要望を受けると送ってくれるそうですが、(フードはメーカーからの寄付)収容施設の賃料、光熱水道代、ガソリン代、収用動物の医療費など、実費の部分は義援金を分配してもらわなければ厳しいわけで、各団体でも義援金を募って、急遽間に合わせざるを得ないのが実態です。
本部では義援金分配申請を募っていますが、本当に活かされているのか
末端まで行き届く努力をされているのか、現場の声を聞いているのか
ジロ母には伝わってきません。

こちらは確か、阪神淡路大震災の時に発足し、愛護団体との連携が素早く
出来たと、その時に携わった方から聞きました。
しかし、今回はどうみても素早く動いている様子が伝わってきません。
愛護団体さんとの連携も全くないそうです。

6月7日現在
義援金450、379、456円集まっています。
何とか助けてあげたいとの気持ちのこもった貴重な義援金です。
4億円超ですよ!

財団法人 日本動物愛護協会
公益社団法人 日本動物福祉協会
公益社団法人 日本愛玩動物協会
社団法人  日本獣医士会

以上の4団体が携わっていることがサイトで分ります。
母体は財団法人 日本動物愛護協会となっていますが。
ちょっと気になる役員数を調べましたら

理事長  1名
常任理事 3名
理事  10名
監事   3名
評議員 22名

*日本動物愛護協会のHPから


これだけの理事さんがいらっしゃるのです。
手不足なんて民間会社だったら言わせないです。
是非、現場を見て頂き、困窮している保護施設を廻り
底辺で活動し動物達のために尽力されている方達の声を拾い上げ、迅速に平等に、見えるように分配をして頂きたいです。
そして、災害動物達が犠牲にならない対策を講じて頂きたい。

この災害は人間も動物も落ち着き先が見えないのであります。
唯一動物達が落ち着ける先は

一時預かりさん
里親さん

の元でしかありません。
みなしご救援隊さんは、いち早くそれを行っていますから、流石中谷代表さんの眼力は凄いと思います。
これから飼い主さんの元に帰れる子は少なく、お迎えに来るつもりの飼い主さんもこの先、住居の問題で犬や猫と暮らせないとなれば、手放さざるを得ないのですから行き先の見えない動物の未来は真っ暗闇。
最悪、保健所へ、、、、考えたくないけれど、お金も無くなり支援を受けられなくなればあり得ます。

だから時間との戦いでもあるのです。
どうか一人でも多くの方に被災犬を受け入れて頂きたいです。
福島県の本部でも、それを願っていると思います。
そして、義援金を送ろうと思っている方はどうぞ保護活動をしている
団体さんや県の行政に直接送金して頂きたいです。
そのほうが迅速に動物達に行き渡り活かせるのです。




声を上げる事が出来ない動物達に、どうか温かい救いの手を差し伸べて
下さい。
よろしくお願いいたします。








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