泡とガラス玉


2006年10月23日(月)      ソラゴト


かつて、忘れるのが怖いと思っていたものを
記憶のひきだしから引っ張りだしてみたら
なんとなくわかったのでした。

感情を表したら
見知らぬ人がそれに気づいて
手を振ったり
遠くで泣いたり
言葉を返したりしてくれました。

外見だけ整った絵なんか正直全然つまらない。
私には自信がもてません。
でも最近はそればかり追いかけていました。
昔どうやって絵を描いていたのか、
ということをすっかり忘れていました。
対処法などなくてもただ悩みの原因をつかんだので
少しは楽になれそうです。
忘れるということはとても恐ろしい。
ただ思い出したからといって元にもどすことはできない。

苦しみと引き換えに亡くなったのは一種の魔法です。

つまり
私の絵には感情がなくなって
物語も発生しなくなり
ただの絵になったのです。
そんな私の絵に
誰が応えてくれますか?
誰かのアンテナには何も届けられない。


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