泡とガラス玉


2006年04月13日(木)      チイサナキミ


悲しくてたまらない

こんな真夜中に誰かが泣く

どうして慰めていたか知っている
君を描いていた
その姿も泣き顔も孤独も
すべて描いて君は安らいだ




僕にはもう出来ない
理由もなく悲しむ君を
僕は描けない


悲しみが消えない
滲みながら眠りにつくんだ



君が泣き止まない
抱きしめられない君を
抱きしめるために描いていたのに
僕はいつからか間違って
理由もなく絵を描いている


僕は君を抱きしめたい
月光の下で
しづかな夜に泣く君と揺れていたい




ねぇ。
君を鎮めることができないなら
絵なんか描いたって仕方がないだろう。
僕はもう描くのをやめてしまいたいんだ。
答えてくれないか。


もう僕は抜け殻の絵しか描けないのか。


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