彼はJリーガーになるものだと思っていた。 そして時々思い出していた。
遠い遠い夏の教室。 大きなお弁当箱に入ったのり弁ののりを 真っ白な歯にべったりとくっつけて 笑い転げていた姿がふと。見えた。
泡のような私達に 答えは無い。 雨の輪と同じことなのだ。 中心に意識があるだけ。
彼は私達と同じ時間を共に生き そして少し早くその波紋を広げきり共鳴を鎮めた。
きっと私は彼が亡くなったことを忘れて また時々、Jリーガーになれたのかな。なんて 思い出すのかもしれない。
ご冥福をお祈り申し上げます。 23年の響き。 どうか。どうか。安らかに。 | |
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