耳を傾けて
答えるのは私じゃない
保たせる故の術
壊れないで
壊さないで
人は誰しも認められたいものだ
わたしがみるは腕の痕
ほとんどが右利きだな、とぼんやり眺める
心が溢れたときの対処法はそれぞれ
人を傷つけない手段を選ぶのは
中の人をもっと傷つけないため
それでも人を傷つけていることに気付けない
外面を覆っている自分の体も人なのだ
そして傷付けた痕をいとおしいと思えるのも
傷付いていることを自己承認できるから
生きていてごめんなさい
今日もまた目覚めてごめんなさい
ウソツキ。
ぐるぐる正反対の言葉がまわる
こないだのは予告編みたいなものか
柄にもないこと 描かれていないこと
だから刺さるんだ
増える傷を眺めては 抱き締めることも出来ず
繰り返し出口を探す
見付けるのはわたしであり あの子でもある
もう、いっしょに出ようよ
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