過失軽薄日記
一覧

管理人は現在杭州にいますが、どこにいようとうすらオタク気味です。 2008年頭に帰国予定。大陸に至った経緯は2006年3月22日あたりをご覧ください。

文中でリンクされている箇所は別窓で開きます。

---------------------------------------------------------------
2006年01月28日(土)/激しい監督とさらに激しい役者。/片腕必殺剣

続いては、片腕必殺剣(原題:独臂刀)について好き放題書いてみます。

本編に言及する前に、この作品の主役を演じた王羽(ジミー・ウォング)さんについて少しご紹介を。

まずはこちらをどうぞ。
ショウ・ブラザーズ列伝 ジミー・ウォング

ジミーさんといえば、「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」とか、「ドラゴン対不死身の妖婆」などの監督として有名です。ギロチン。妖婆。もう見るからに血湧き肉踊って笑顔が浮かぶタイトルですね。ヒャッホウ。上記2作品は私も拝見しましたが、内容のほうもこの激烈なタイトルに恥じぬ気合の入ったはじけ方であり、変な意味で感服せざるを得ない作品でありました。恐らくさまざまな理由により皆からさんづけで呼ばれているジミーさんですが、あんなものを見たらそう呼ばざるを得ないと思われます。私も喜んでジミーさんと呼ばせていただきます。ほんとものすごいので機会があったらジミーさん作品についてもまた何か綴りたい所存。もう非道いです(賛嘆)。もちろん私はこんな作品を世に出してくれたジミーさんが大好きです。
そんなジミーさんは、監督として異様ないろいろをこさえる以前には、張徹作品にも出演し、「天皇巨星」と呼ばれ大人気を誇っていたのでした。今回書こうとしている片腕必殺剣もそういった作品のうちの一つです。いったいどんなことになっているのやら。

話は横にそれますが、最初に挙げた2作品の原題はそれぞれ、「独臂刀大破血滴子」、「英雄本色」であり、多少きなくさい感じはしても、邦題ほどの異様さは感じられません。このあたり、邦題つけた人の並外れた才覚が窺えますね。グッジョブ。邦題や予告と内容が一致せぬ作品が多い昨今、この潔さはぜひ褒め称えたいと思います。このタイトルでよもやオサレ映画を期待する人などおりますまい。オサレはオサレ、異様なら異様らしい邦題をお願いしたいものです。

続く

---------------------------------------------------------------

2006年01月25日(水)/やりとげた監督3/ヴェンジェンス/報仇

重ねて書きますが、こりゃ名作だと思いますよ。本当です。

主役の姜大衛が最高に素敵なのはいうまでもありませんが、一見して「ああなるほどこういうのが好きなんだね導演は」と明確に伝わってくるのが素晴らしいです。
何がしたいのかはっきり分かる作品は見ている方もある種の痛快さを覚えます。しかも、自分がどうしたいのか具現化しただけでなく、他人にも分かる形で表現しヒットまでしたのだから、これは素晴らしい作り手ということになるでしょう。

実は私は血が怖い(かっこわるいが本当)ので、ここまで流血の惨事が起こると、正直もう少し手加減してほしいと思ってしまったりもするのですが、これほどに迷いなくやりとげた導演には敬服するほかはありません。
いやあ、本当に張徹導演は腹に致命傷を負わせるのがお好きなのですね。

おかしなものが伝わった?

---------------------------------------------------------------

2006年01月24日(火)/やりとげた監督2/ヴェンジェンス/報仇(ネタばれあり)

続きです。

以下、力の限りネタばれしますのでこれから作品をご覧になるつもりの方はご注意ください。
なお、文中の人名は登場人物名ではなく俳優名です。ご了承ください。

//////////↓↓↓↓ネタばれ区間↓↓↓↓//////////















内容は、タイトルどおり敵討ちの話であり、やっていることはそれに終始しているのですが、その討ち方がただごとじゃないことになっております。

いろいろあって悪い武術師範の罠にはまり包囲される狄龍(ティ・ロン)。応戦するも腹に刺された小型斧のダメージが大きく、最終的には目をつぶされやむなく絶命。始まるなりこの所業です。私事で恐縮ですが、この作品は私がショウブラはまりたてのころに見たので、この単刀直入すぎる惨状ぶりには心底驚きました。(今は慣れました)さっそく盛大に流血していますが、血があからさまに赤ペンキっぽくリアルでないところが救いです。

狄龍殺害後、厳しい顔で町に現れたのは、弟の姜大衛(デビット・チャン)。町を離れていたのだが狄龍兄さんの敵を討つため帰ってきたようです。懇意にしている女子から、実行犯は悪い武術師範だが、殺害計画は麻雀卓を囲んだ4名+黒幕の将軍によって立てられたことを告げられた姜大衛は、彼らを残らず血祭りに上げるべく行動を開始します。
標的のうち劇場支配人はすでに武術師範の刺客により殺害済、武術師範を女子の色仕掛けで油断させた後楼上から突き落とし、ついでにそのとき取り巻きの者を何人も殺りつつ、さらに将軍の副官を、副官に雇われた狙撃手に同士討ちさせて三名が片付き、いよいよ最後の戦いです。
おこったことを大幅に省略しつつまとめて書いては見ましたが、ずいぶん殺伐としていますね。当サイトでもいろいろ物騒なことは書いてきた記憶がありますが、これほど血腥い文章はかつてなかったのではあるまいか。

殺伐とした復讐を行う一方で、女子と良い仲になる姜大衛。作中の姜大衛は敵討ちで頭がいっぱいのためか、常に陰のある厳しい顔つきをしていますが、女子と過ごす一時だけは少し表情が和らぎます。厳しいときは非常にかっこいいのですが、なんだか和んだ途端、急にかわいらしくなります。この厳しさとかわいらしさの対比も良い感じです。しかしながら、兄さんの敵を討つべくかわいい道よりも厳しい道を選ぶ点では少しも揺るがない姜大衛。確かにこれまでの殺戮ぶりを見るに、一度言い出したら聞かなさそうな感じであり、そんな激しい気性で長生きできるはずもないのです。
自分が生きて帰ることがないことをうすうす感じながらも、やはり最後の戦いに臨みます。
これまで黒いスタンドカラーのスーツを着ていましたが、同じ形の白い服にお着替えになり準備も整いました。この白い服が鮮血に染まるという寸法ですよ。張徹導演的にも準備は万端であります。大変だ。

いよいよ残りの仇である資産家+黒幕の将軍をモブもろとも始末するこの戦いは、本作品のクライマックスであり、名場面と言ってもいいと思います。
詳しく書くことは避けますが、本編総仕上げのクライマックスだけあってアクションも死人も血液も大増量。特に姜大衛の頑張りはただごとではありません。人が死にすぎとか兄さんと仲がよすぎとか、いろいろと申し上げたいことがあるはずなのに、この姜大衛の凄まじい戦いぶりを見ているとおし黙らざるを得ません。すげえ。しまいにはすっかり切ないような気分になり、姜大衛を応援しているのだから恐ろしい。私が流されやすいのでしょうか。
そして、案の定白い衣を朱に染めつつ、烈しい戦闘の末すべての標的を片付けるも自身も致命傷を負い力尽きる姜大衛。結局敵も味方もほぼ皆殺しなのでした。




















//////////↑↑↑↑ネタばれ区間↑↑↑↑//////////


大変なものを見てしまいました。名作ですよこれは。

---------------------------------------------------------------

2006年01月23日(月)/やりとげた監督/ヴェンジェンス/報仇

私の昨年の主な記憶といえば、ショウブラ映画のことなのでいくつか自らの言葉でつづってみたいと思います。

今回はヴェンジェンス(原題・報仇)です。
作品の内容に触れる前に、この作品の監督である張徹氏について私なりに好き勝手に記しておきます。

基礎的なことについては以下キングレコードさんのページをご覧ください。
ショウ・ブラザース列伝 チャン・チェ監督

さて導演(監督)の作品を実際に拝見してみますと、男子同士の人間関係の描写において少々いきすぎとも思える表現が散見されるため、私の心の琴線のある部分に抵触します。当日記をご覧になっている一部の方の琴線にも恐らく差し障りがあると思います。用法を誤りつつすっきりしない言い方で申し訳ありません。ともかく、遥か30年程前にすでにあんな大変なことにしてしまった張徹導演には驚きを禁じえません。

「あんな大変なこと」を少しご紹介いたしますと、
1.血!暴力!男同士!
2.上記信念に基づき、お気に入り俳優を使ってやりたい放題。
3.敵も味方もその他大勢も大虐殺。
4.飛び散る血しぶき。のたうつ肉体。
5.しかも気に入り俳優ほど作中で酷い目に遭いがち。
6.登場する女子はかわいいが、わりとどうでもいい扱い。あるいは全然出てこない。

まあ、こういった具合です。第一項目の後半部分に多少語弊があるようなそうでもないような。夏冬の海辺祭りに集ううら若き女子に紹介して是非反応を見たいような見せてはいけないような。張徹作品は当時アジア各国で大人気だったにもかかわらず、日本には入ってこなかったなんて残念なようなそうでないような。
重ね重ね、30年前にすでにこんなことにしてしまった張徹導演には全く頭が下がります。大好きです。どうしたらいいのか。

報仇は、そんな張徹導演がやりたそうなことを全うし尽くした素晴らしき作品なのです。

続く

---------------------------------------------------------------

2006年01月22日(日)/象嵌された身体。

初夏〜秋半ばくらいまでは、おのおの自分の好きなところで寝ている我が家の猫ですが、冬になるとお互い寄り集まったほうが暖かいと心得ているのか、就寝時にはこぞって私の布団に集結してきます。今年はコタツを出して以来、持ち主よりも有効利用しまくりなのでそのままそこにいればいいのに、なぜか今年も就寝時には私の布団に集結してきます。
先日も書いたとおり我が家には猫が6匹いるので、彼らが私の布団に集結すると、かなり布団に余裕がなくなります。
しかし、家で最も獰猛なのだけは寝るときもコタツです。
そんなにコタツが好きだなんて。主だから?

さて、猫と暮らしたことのある方なら経験があるかと思いますが、猫は寝転がっている人に寄り添うとき、折り曲げた膝の裏側や(横向きに寝ている時)、脇などの、凹(?)になった箇所に凭れかかってきます。
最近は、6匹−獰猛(コタツ主)=5匹が就寝時に寄り集まってきまして、彼らの好むへこみを提供するこちらはもう大変ですよ。私は大体横向きに足を曲げ腕を投げ出した状態で寝ているのですが、最終的に曲げた膝の裏や腹部分や投げ出した腕の付け根部分や首の後ろなどのへこみ箇所すべてに猫が嵌りこんでさっぱり身動きが取れなくなります。生けるレリーフですか。
時折、我ながら無理があるのではないかという姿勢で固められたまま目覚めることもあり、そんな状態でも熟睡している自分に少し感動を覚えます。温かいのはいいんですが…。

猫話ばかりしており恐縮ですが、正月からプチひきこもりを満喫していたせいで、猫のことくらいしか話題がないのでした。

---------------------------------------------------------------

ヤケパチ |電信家頁

My追加