日記帳

2004年08月04日(水) 修行の道は険しい

あのう、予約が取れてしまいました。←幾分済まなさそうなかんじで書き始めてみる。

何度メールチェックしても返事は来ない。
外来に電話したらU先生本人とつながっちゃったよ。別に直で話したい気持ちはさらさらなくて、単に午後でもいいから予約を入れておこう、その後またメールしておこうくらいの気持ちだったのでカーサンちとおどおど。

U先生相変わらずだよ。この人の話し方は、なんていうか、自分に不利な状況は絶対に作らない、すごく誘導上手。

まんまとそれに翻弄される自分が悔しくて、彼の印象が最高潮に悪い。悔しいってなんだよ>自分。勝負してるわけでもないのに。

聞きたいのはそこではない、という説明を聞きながら、だからそうじゃなくて、と蒸し返すことが出来ない。くくく悔しい。

「僕は400人診ているんですよ」という台詞に頭が沸騰しそうになる。いつぞやのマンションの営業と同じレベルの発言だぞ(わかりにくい比較)。

それでも一人くらいの融通は利くというのだろうか、口約束通り12日の午前中に予約を入れてくれた。

戦利品はブラボーなはずなのに、憂鬱な気分で受話器を置く。負けた・・・。そんな気分。だから勝ち負けじゃないって。

そしたらU先生からメールの返事が来ていた。これが仰天するほど腰が低い。まず謝罪から始まり、木曜午前が混まないからベストという助言があり、「何か疑問点がある時には遠慮なくおっしゃってください。」と締めくくらている。

なんかもうわけわからん。どっちが真の姿なんだ>U先生。

本当は親切な医師だが、彼のデフォルトとして感じの悪い威圧的な話し方をするだけ、と理解しておけばいいのだろうか。

ところで12日の予約をどうすればいいのかについてはメールに明記されていない。ここらの抜け具合がカーサン的にはツボ。

ツボといえば、彼の印象をくっきりとしたものにしてしまったのが、「手帳への書き込みの件」だ。

娘の病気は小児慢性疾患に含まれ、申請すると手帳がもらえる。一貫した治療や指導のためでもあり、状態が急変したときのための緊急覚書でもある。

「特記すべき事項」「緊急時に対応すべき医療情報」「検査の結果」などの欄があり、これは「保護者からみた健康状態の記録」とは別格、医療者に記入してもらうべきかな、と思い、前回の外来のときに持参した。

診察室で手帳を見せ、こちらが期待したのは「どれどれ」とボールペンでなにやら書いてくれるか、或いはこのように記入しておけばよい、という指針をもらえるか、だったのだが、実際は「ちっ」という舌打ちすら聞こえてきそうな(この辺は被害妄想入ってます)「カンゴフサーン(大声)全部手続きやり直してー」という事務的な叫びだった。

期待が大きいと、落胆は比例と申しましょうか、倍増倍々増するもんですね。

というやりとりを帰宅して夫の前で再現してみせ、「なにも書いちゃくれなかったよ」と肩を落とすと、「いや、ここ見てみ」と夫。

私が記入した「本人」「保護者」の住所氏名の他に、「主治医」の欄にU先生の苗字を書いていたのだが。苗字だけだったのがいけなかったんでしょうか、お名前の方がU先生の筆跡で二文字輝くように書き込んであったとさ。

呼び捨てにしたつもりはなく、「主治医グループのU先生以外3人の名前を括弧して付け足そうかなあ」と迷った箇所だったのだ。

よりによってここだけかよ。夫から手帳をもぎ取ると、床に叩きつけてダチョウ倶楽部上島を演じてしまったカーサン。そんなですからまだまだ修行が足りない。



2004年08月03日(火) ぶちまけてやるー

次回の外来はたしか12日。ところが何時だったかが思い出せない。病院関係のファイルを見ても、診察券以外なにもない。

ここで既におかしいのだ。次回の予約を確かめる紙切れ一枚見つけられないなんて、大学病院の外来診察でそれはないだろう。

不安を胸に病院に電話。不安的中。予約は入っていないというのだ。

診察室で先生と午前中の何時と約束したのですが、と食い下がってみたが、診察後受付で予約の手続きをしないとだめだという。口約束だけではねえ。
つれない口調に目が釣りあがるカーサン。

おいおい。12日の午前中ってことで、じじばばを巻き込んで草津温泉行の日取りまで変更したってのに、そりゃないぜ。

前回の外来診察は、手際が悪いとか非効率とか、そんな言葉を脚本にしたらこうなるだろうっていうくらい、非常に段取りが悪かった。

最後に薬その他を受け取るのだって、誰に聞けばいいのか、どこに行けばいいのかも指示されず、しかもU先生本人が処方箋に記入した「スミ」の二文字のおかげで事態はますます混乱したのだ。

看:もう済んでいるんでしょ?
カ:いえいえ、モノはまだ頂いてないんですよ。
看:じゃあ誰が「スミ」って書いたのかしら?
カ:・・・U先生ですよっ。

そこでさらに予約の手続きが必要だなんて、カーサン思いつきもしなかったよ。
知らないことに気付くってのは、相当のイヒ!が必要、カーサンイヒ!のカケラも持ち合わせていないんだから。

はー。ため息が出る。

メールでいつでも連絡ください、と患者フレンドリーなことを言うU先生。お昼にメールを送ったけどなんの反応もないよ。

前にも薬というか、使い捨ての器具が不足しそうという相談をメールしたんだけど、「メールの調子が悪い」とかで反応が悪かったんだよねえ。
メールの調子が悪いってなんなんだ。

結局電話連絡で外来の受付事務のおねえちゃんと話して片が付いたんだった。
※受け取りに行った夫によると、美人女医K先生が外来にいたんだけど、彼女からも受け取る場所などについてひとつも指示がなかった、あれは病院の体質かもよ、と言う。

こういう不満を医者にぶちまけていいものなのか。

医者の仕事なのか、看護師の仕事なのか、医療事務の仕事なのか、それともそれは患者の仕事なの?

コーディネーターとかソーシャル・ワーカーとかを配置している他の病院に心惹かれる私は間違っているのだろうか。

専門の医師がいる、おかげさまで娘の血糖値の管理は今うまくいっている、不通はともかくメールで相談を受け付けてくれる。
この3点で「転院」という発想を抑えるべきと判断してきたんだけど、ちょっと揺らいでいる。

主治医U先生の圧迫面接法みたいな口の利き方が嫌、主治医グループのM先生がU先生のご機嫌取りに終始する姿勢が嫌、外来の看護婦さんが不親切。

くだらない理由のように思えるんだけど、これがけっこう胃痛の元なんですよ、奥さん。



2004年08月02日(月) 理解力

「ちっくんちゅる、ちっくんちゅるのーー」という娘の台詞を引き出すために、三度のごはんのたびに彼女を脅迫している。
「ちっくんしないのね?じゃ、ご飯オカーサンだけ食べちゃうからね?」

これを言わずに済む方法はないものか。お互い気分が悪いじゃないの。

朝っぱらから娘をつかまえて説得する。

ねえ、ビョウインに行ったの覚えている?カンゴフさん優しかったね。

ゆかはぱっちんとちっくんをしないと、ご飯を食べても元気が出ない病気なんだ。病気とは仲良くなったから、先生がいいよって言っておうちに帰ってきたんだよね。

ぱっちんとちっくんすれば、元気でいられるんだけど、しないとくたびれちゃうんだよ。わかる?だからがんばろう?オカーサンとがんばろう?

「ワカッタ」と神妙にうなずく娘。

しかしその後の朝食前の測定も注射も、いつものように嫌がって先延ばし作戦を展開。

結局いつものキメ台詞の登場。これなしでいきたかったのにい。

パンをトマトをきゅうりをハムを食べながら、娘ふとうつむいて小さな声でつぶやいた。

「げんきがでない・・・」

ごごごごめん。わかりづらかったよね。大丈夫だよ、もうちっくんしたから元気出るよ。大丈夫大丈夫。焦りまくるカーサン。

反省。まだ理屈で説得するのは無茶だったか。

なんでもかんでも、とにかく当たり前にしちゃいなさい、かわいそうと思ってはダメ、という主治医U先生の顔が頭をよぎる。

でも嫌がってるんですよ。当然の儀式として定着するには、当分時間もかかるだろうし、カーサン例の脅し文句も続くだろう。

どうしたもんか。こんなことだけど、主治医にメールしてみようかなあ。



2004年08月01日(日) 殻の中

どこにも行かない日曜日。

旧PCに残ったままになっていたデジカメ画像を、ちまちま夫婦で現PCに移していたら午前3時。眠い。使い物にならない二人。

午後、カーサンは図書館へ。「小児糖尿病」でヒットする本を全部予約していたのだ。全部と言っても3冊だったけど。

なんだかんだ言って、カーサン頭の中が娘の病気のことでいっぱいだ。

将来の不安なんて、細かいことまで妄想を膨らましていたらホントきりがない。また妙にリアルに膨らむんだ>妄想。

まだ現れてもいないバーチャルな敵を思い描いては、カーサン戦ってやると息巻いたり、逆にしょんぼり萎れてみたり。あほか>自分。

娘とふたりでまったり過ごしていられる平日は、刺激は少ないけど安全で快適な殻の中状態だ。病気のことも、注射のことも、娘とカーサン二人の問題にすぎない。

来るべきときがくれば、来るべき問題が浮上するだろうし、それはそのとき対処していけばいいだけのことだ、とわかっちゃいるんだが。

はー、深呼吸深呼吸。



2004年07月31日(土) 長瀞

娘と顔を合わせることすらままならない平日の穴埋めを誓ったのか、夫今日は川に行こうという。先週は海で、今週は川ですか。

車で長瀞に到着したのが午後3時。怪しい雲行きを心配しつつ川べりに着くやいなや、降る降る。暗雲たちこめる空。

「すぐ止むよ」と夫、「まだ降る」とカーサン、いつものコントラストを見せ合っているうちに着ているものがびしょびしょ。

せっかく川に着いたのにね。少しは遊べてよかったか。と屋根のあるところに避難して娘を着替えさせる。着替えは娘の分しかないよ。

初めての川を怖がりもせず、5センチほどの深さの川底の石を拾うのに夢中だった娘。水が流れるって面白いよね。もっと遊びたかったよね。

すると気持ちが通じたか、雨が上がってまぶしくて目を細めるほどの陽射し。・・・夫の楽観が当たったな。

川べりに戻ると、さっき濡れた服がみるみる乾いていく。娘の脱いだ服も、岩の上に干してみる。いいかんじいいかんじ。

時折、川下りやラフティングのひとたちが川を下っていく。手を振ったり振られたり。

水は多くて濁っているけど、緑の濃いことよ、光の強いことよ。とんぼが数え切れないほど水面の上を飛び回り、隣の家族連れは水切りの競争で盛り上がっている。

夏だねえ。

5時近くまで遊んで引き上げる。高速道路の出口が渋滞、その後もなかなかファミレスが見つからず、夕飯にありついたのが7時半。

娘は車の中でリクエストしていたハンバーグとごはんにかぶりつく。もりもりと、そりゃもうもりもりと、お腹が減っているから食べっぷりも素晴らしい。

カーサン娘のもぐもぐと動く口元や頬を見ているうちに、涙が出てきた。
幸せだなあ。こんなに楽しくていいのかなあ。

しかも帰り道では花火大会に遭遇して、夜空に広がる花火に娘が歓声をあげる。素晴らしいおまけつき。

「おうちかえらないよ」「おとーちゃんもおかーちゃんもねないの」「ぶーぶ乗ってるの」と眠い目をこすりながら、体のあちこちをかゆがりながら、名残惜しくてたまらない娘。

カーサンだって今日という一日が名残惜しくてたまらない。たまらんよ。

またいっぱい遊ぼう。楽しいことは、まだたくさんたくさんあなたを待っている。


 <<  index  >>


さば [TOP]