日記帳

2004年06月30日(水) 試験外泊その1

私は全然知らなかったんだけど、大きい病院てのは、主治医は一人に限定せずに複数名でグループを作るのですね。転院前も後も、娘に対する主治医「グループ」があり、3〜4名で構成されている。

これっていいことだなと思う。
この先生に言っても通じなかったけど、あの先生ならわかってくれるってことが多々あるから。

本日宿直で病棟にいらした先生は、人柄は問題ないとしてもあまりにシングルタスク。一度に二つ頼んじゃいけないよ。

途中で電話でも出ようものなら、それ以前の用事はどこかへ行ってしまうらしい。インスリン注射他必須アイテムを早く我々に渡してくれい。

ついでに看護婦さんたちにも周知徹底しておいてくれい。これは医師個人というより、病院の体質みたいなもんか。
※「試験外泊?いつまで?」って病院を出る直前に看護婦さんから確認されるのはちょっと恐怖。

午後4時前には病院を出るつもりが、5時近くなってしまい、おかげで月末のゴトウビの夕方なんて、どこもかしこも交通渋滞当たり前よね。

カーサン肝を冷やしたよ。実家じじが車を出して病院から自宅まで送ってくれたのだが、娘途中で「おうちかえれないよ」と連呼するほどの混雑っぷりでした。

だから午前中にあれもこれもやっておけばよかったのに>自分。

残りのおかずと冷凍ご飯、慌てて焼いてブサイクな卵焼きで娘のディナーを間に合わせた。頭の中ではもっと美しい食事を描いていたんだけどなあ。

ま、こんなもんだ。試験外泊一日目。



2004年06月29日(火) 予定

とりあえず抜歯が延期になった。
そしたら試験外泊が前倒しになった。

明日午後帰宅し、金曜日に病院に戻る。
カーサン記録を詳細にとらなくてはいけない。

何を何グラム何時に食べたか。何時に血糖値はいくつだったか。

やらなくてはいけないことだから、がんばるよ(やけくそ)。

さて、いかほど血糖値が上下してしまうのか、そして金曜日に娘は病院にすんなり戻るのか。

あんまり考えないことにしよう。



2004年06月27日(日) 当事者は誰だ

抜歯云々の話の流れで、抜歯が済んだらその週末に試験外泊し、経過がよければその翌週には退院なんてスケジュールを主治医が漏らした。

早ければあと2週間、いや10日?カーサン興奮。

退院後の生活を頭の中でシミュレーションしているうちに、段々気が重くなってきた。

今、病院の調理師さんがしてくれること、看護士さんがしてくれること、全部私ひとりでやるのか。

病院通いを言い訳に、家事をほとんど放棄しているこの頃のカーサン。病院で習慣づいた規則正しい生活リズムで帰ってくる娘。つ、ついていけるかしら。

折りしも夫、最近のなんだかだのしわ寄せで、自宅で夜鍋仕事。アータに頼れるとも限らないわけね。

ますます暗澹たる気分が盛り上がってしまう。いかーん。

一度布団に入ったものの、夜中の4時頃目が覚めてしまう。リビングでは夫が仕事中。ほとんど発作的にあらゆる気持ちをぶちまけ、頭痛薬を飲んで寝直した。・・・ぐっすり。まだまだいける>自分。

しかしなんだろねー、確かにちょっとくたびれてきてんのかもねー。
※まあ、くたびれてることを夫に理解してもらえばよしとしよう。

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さて、今日は病室に、実家ばばではなくじじが来た。ばば風邪。

孫娘の抜歯について、ばばから情報が行っているらしく、なにやら憤慨に近い面持ちで抜かなくていい、抜くべきでないと鼻息が荒い。

抜歯については、先日夫と二人して、出来れば抜きたくないという希望や、小児科と歯科の連携に対する不信感を主治医にぶつけた。

私たちから不満をぶつけたことで、主治医グループはグループ内でも歯科とも話し合いをもってくれて、詳しくは明日月曜日に説明を聞く段取りになっている。

なんだかよくわかんないけど抜歯、とりあえず抜歯、流れとして抜歯、そういうことではなくなってきている、とカーサン捉えている。

なので実家じじがいくら鼻息荒く反対を唱えても、必要な処置であり娘にとって最善であるなら、抜歯も致し方ないかな、とすら考えている。

やはり当事者は娘なのであって、だれよりなにより優先されなくちゃいかん。

じじの孫可愛い、不憫という気持ちはわかるが、その熱さでかえってクールダウンしてしまうカーサンであった。あくまでもへそ曲がり。

でもねー、抜歯とか傷の深さとかその後のブリッジ(?)装着とか具体的なことを想像すると、やはり気が重い。痛いのは娘だけどさー。カーサンも小学生のとき歯列矯正したことあるから、口の中に針金がある痛みってのは想像できるんだよ。

娘、まだまだ二歳なんだよねえ。はー(ため息)。

娘に対するカーサンの不憫フィルター、また一段と厚くなってしまいそうな予感。やば。



2004年06月24日(木) 必要性

娘はご存知の方もいらっしゃると思うが、前歯が一本欠けている。
母乳添い寝を1歳5ヶ月近くまで続けた結果、上の前歯4本が虫歯、加えて階段落ちという荒業で見事に欠いたのだ。

その後フッ素を塗布したりして、見た目黒くていかにも虫歯っぽいのが難だとカーサンも思っていた。

入院してご飯を食べている娘を見た美人先生がそれに気付いた。「あら虫歯?」「いえ階段から落ちて欠けちゃったんです」「あらまー」で済んだと思っていたら。

紹介状を書くから隣の系列歯科に行ってこいというのだ。

そんなに気になるかしら、くらいの気持ちで行くと、そこは大学病院の歯科、待ち時間も段取りも世の開業歯科の百倍の負担であった。

しかもレントゲンの待ち行列を見た通りすがりの医師と患者らしき中年男性二人の会話「今混んでるから後にしましょう、午後いちにでも」「はあ混んでるねえ」「時間の無駄なんですよ」。時間の無駄とほざいたな、そこの医者。

問診→口の中拝見→レントゲン→別の医師が口の中拝見→お話、と進んだ頃には二時間経過、娘は泣き疲れてカーサンの膝でうとうと。

系列病院間で紹介状をやりとりし、事前に医師同士で連絡を取ったにもかかわらず、この段取りの悪さはなんなんだ。

そして二度目に娘を診た女性メガネ医師、専門用語の羅列で娘の欠けた歯の残っている土台部分を抜くしかない、と断言。

今までかかっていた歯医者さんでは、土台が残ってよかったね、フッ素塗ろうねレーザーで焼こうね、と出来うる処置をしてもらっていたはずなのに、これは糖尿発病ということで事情が変わったということなのか、と問うカーサンに、なんの新しい展開もない専門用語の羅列を繰り返すばかり。

話のわかんねー女だな。再度怒りを抑えて問うと、助手的立場の先生が是と答えてくれた。
※しかもこのメガネ、私たちが手続きを待っている間に昼ごはん食べに階段下りていったぞ。

カーサンの肩に熱い頭を乗せて娘は眠る。

そもそも事前に、糖尿だから感染症うんぬんという話を主治医グループの誰かがしてくれていたら、ここまでショックを受けなかったと思うんだよ。

医師には当然以前の常識でも、患者は無知なのだ。きちんと説明してくれ。

元の病室に戻って主治医グループのお頭U先生に尋ねると、あれほど通常となんら変わらないと熱弁をふるっていたその口で、やはり糖尿ですからねえ的発言。がーん。

遅かれ早かれ必要な処置なのかもしれない。入院している今なら、体調の管理も診てもらえていいタイミングなのかもしれない。

でも納得いかないのだ。明日、かかりつけだった歯科医に話を聞いて、それで納得がいったら抜いてもいい。でもそうでなかったら。

後にしてくれ、と私は要求するだろう。

あんまりカーサン怒らせるなよ。

これ以上娘に痛いとか怖いとかを経験させたくないのだ。



2004年06月23日(水) それぞれ

毎日病院ネタですみませんが、退院までもうしばらくおつきあいくださいましね。

娘が入院して数日後、小学一年生の女の子が入院してきた。目の大きい、とても愛らしい女の子で、病院という環境に怯えているように見えた。そりゃそうだ、きっとこんなところ初めてだものねえ。

娘のいる部屋は一応5歳以下の患者が対象で、彼女は一日だけ同室だったけれど、翌日にはもう少しお姉さんの部屋に移っていった。

お姉さまがたは、高校生のKちゃんがお頭というかお局というか、とても姉御肌な気持ちのよい子で、どの子もすばらしく面倒見が良い。

小学一年生の彼女もすっかり気に入り気に入られ、金魚のなんとかのように連なって病院内を闊歩するようになった。

まだ予想もつかないけれど、娘もひょっとしたら将来、入院生活を送ることが再び三度あるかもしれない。

そのときには、年下の子にやさしく、不安を解きほぐしてあげられるような気遣いの出来るお姉さんであってほしい。

などと勝手なことをカーサンは思うのだ。

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今夜病院から帰ろうとすると、小学一年生の彼女がエレベータホールの公衆電話で泣いていた。膝を抱え、大きく見える受話器を耳に当て、声を殺して泣いていた。

昼間、娘を明るくあやしてくれた。笑顔がとてもかわいかった。おばちゃんにはまぶしいくらいだったよ。

昨日は高校生Kちゃんが、やはり同じ公衆電話でお母さんを相手に話し込んでいた。仕事帰りに病院に寄るのは大変だから来なくていい、と聞き分けの良いことを受話器に向かってことさら明るく話していたけれど、私は夕方、彼女がお母さんが来ないことをこぼしていたのを聞いている。

それでも私の存在に気付けば、彼女にこりと笑って会釈してくれる。

ここの病院でも、最初の病院でも、小児病棟という場所は、私に大事なことを教えてくれる。

教わったことをけして忘れてはいけないな、と思う。


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