どこへでも参りますよ、と侍従のような台詞が夫から飛び出した。
ので、めぼしい家具屋を3軒まわる。はー、家族全員へとへと。
そして成果は時計ひとつ。はー、決断力ゼロ。
なんというか、おされな家具が欲しくても、それがどこにあるのかよくわからないのだ。有名なブランドものみたいなのは高すぎるし、あんまりビンテージなのも娘が叩き壊しそうだ。
ほどほど庶民なお値段で、ほどほどおされな家具。どこにあるんでしょう。
まあ、それでも今日1日がかりでうろうろしたおかげで、いいなあと思えるのもあったので、その残像がおぼろげにでも残っているうちに選ばなければ・・・。
実際部屋に帰ってみて、シミュレーションしたりしているうちに、目がランランと妙な光を帯びてくる妻。
もう眠くて半分意識がとんでいる夫。
はしゃいだせいかなんなのか、一向に寝る気配の無い娘。
日曜日の夜は更けていく。
朝起きるなり絶叫号泣の娘。寝起き悪すぎ。オトーサンが野球でいないのが恨めしい。
夫帰宅後、お昼ご飯を食べ、娘を寝かしつけ、宣言通りひとりで池袋に散歩に行った。
実は自問自答しながら地下鉄に乗っていたんだが・・。 「報復するなんて、私ってやなやつだな」 「でもこんな機会を逃すのも惜しいし」 「どうしてもひとりになりたいってわけでもないんだけどな」 ぶつぶつ。
もうすぐ切れそうなファンデーションをRMKで初挑戦、新調し、スカートに合わせるおされなハイソックスを買い、本屋を巡って、はー至福。
RMKの店員さんたちは、揃いも揃っておてもやん並みのチークの入り方で思わず見入ってしまった。いや可愛いけどさ。みなさんお肌がきれいだからチークが映えるのね。
ファンデーション以外の商品でなにかお試しになりますか、と聞かれたが、うっかりチークなぞと答えておてもやんの輪に入るのもアレなので、丁重にお断りした。
行きの自問自答はどこへやら、nipopoさんの影響で買ったエラリークイーンの文庫を開き、帰りは鼻歌まじりのカーサン。やっぱり行ってよかったわ。
夕飯とんかつにしたら、娘が食べる食べる。ソース味が好きなのか、ともかく貴重な蛋白質摂取だ。どんどん召し上がれ。
気分がよくなったカーサン、缶チューハイ少々なぞを夫のビールにお相伴。 漢方薬の効果か、以前のように頭痛になったりしない。嬉しい。ぐびぐび。
なーんか楽しくなってきちゃった(酔)。
はい、夜が明けたらすっかり立ち直っていました。まるで憑き物が落ちたよう。
こういうの、夫は今までに何度も経験して学習済みなのらしく、当の本人だけがいつまでも学習機能が働かないのだ。
たぶん、行くところまで行かないと、処理できないタイプなのだ>自分。 いやあね、迷惑だわ。夫が気の毒である。南無〜。
というわけで、元気いっぱい(?)池袋に行った。 娘も電車に乗りたいっていうし、天気もいいし。
屋上でシウマイ弁当を食べ、スカートとシャツを買ってきた。 スカート。ハイソックス履けば、足の豆大福状態も見えないし、あんまり暑くならない今のうち限定アイテムになりそうだけど。
帰宅してすぐにいそいそ着替えて、ひらりと回って「オカーサンかわいい?」とお馬鹿な質問を娘に投げかけてみる。
「おかーさん、すかーと。うかちゃん、どーなっつ。」と冷静な要望が返ってきて、赤面してしまう私であった。はい、ドーナツ召し上がれ。
なにをやっても裏目に出る日ってあるもんだ。今日がそう。 裏目というか、冴えないというか。
ドアの開け閉めが出来るようになった娘、開けるのも閉めるのも自分でやりたくてたまらない。
うっかり、でもごく普通に私がドアを閉めたりしようもんなら大変だ。
まずその場で「うかちゃんじぶんでやりたかったよーーー」とべそをかき、ドアまで走ってきて「開けちゃった」とせっかく閉めたドアを壁にぶつかるまで全開放。 「閉めて」と頼めば100%「イヤダ」と拒絶される。これ、この頃のお決まりのパターン。
気にも留めない動作だが、人間1日にけっこうな回数、ドアを開け閉めするもんだ。そのたびに大騒ぎ。
まるで箸の上げ下ろしにまでうるさい姑のようだよ。 「さばさん、こうやって閉めるざんすのよ」「ああもう、だめだめ、開け方がなってないわあ」みたいな。 ※大阪の母はまるきしこんなタイプじゃありません、念の為。
いちいち娘がやくざ並みに因縁つけてくるので、何度か切れてしまった。 娘の頭をこつんとぶってしまったりもしたよ。あんまりしつこいんだもの。
でも、後味悪くてね。
やはり叩きたくないもんだなあ、とあちこちサイトを巡っていたら、そういうイライラは母親の怒りや悲しみが、コドモのぐずりなんかでぽろっと出てくるものなんだそうだ。
怒りや悲しみねえ。 そういえば、妙に思考が後向きスパイラルに入ってるしなあ。
そんなことを夫に漏らし、やはり土曜日の午後はひとりで外出するよ、と宣言すると、夫しばらく押し黙ったあと「たまにはいいんじゃない」という。
なんだなんだ、きみに許可されるのか、なんか悔しいぞ(コドモ)。
「報復かよ(三村つっこみ)」「そんなに野球するのが憎いのか」みたいな夫の沈黙だった。私も「土曜日野球だから」と一方的に言われたときの気持ちを思い出していて、思い知るがいい、みたいな幼稚モードに入ってしまっていて、もうこうなるとどうしようもない。
自分がまるで被害者的感覚で日々を送っているのかと思うとまたそれが情けなくて、さあいよいよ回るスパイラル。ぐるぐる後向き。
夜はいかんよ、夜は。
「よくやってるよ」とカーサンねぎらわれたかったのだろうか。 そんなこと言ったら日々働く夫だってねぎらわれたいだろうに。 毎日よく遊び、カーサンにこつんとやられて大泣きしても、寝る前にはきまって「いっぱいあそんだ」とポジティブな発言で締めくくる娘だってえらいぞ。
ああ、もうどうにもとまらない。
でも大丈夫、ひと晩眠れば、すっかり立ち直るんだなあこれが(現金)。
| 2004年04月07日(水) |
片付かないのは部屋だけじゃない |
引越しから2週間経った。
段ボール箱は一応ほとんど空になり、4つくらいの大きい束になって引越し業者の回収を待つばかり。
空けたはいいが、収める場所の決まらないものが和室に散乱している。 ・前の部屋では玄関の下駄箱の上に置いていた絵(ブライアン・ワイルドスミスの絵。伊豆下田新婚旅行(いつの時代のひとだよ>我ら夫婦ときたら)のお土産) ・結婚式で夫が頭突きして割った瓦。「困難」と書いてある。まっぷたつ。 おかげさまでいまのところ家内安全ですわ。 ・自分で縫った唯一の和服。黒色地の紅型。仕事してた頃は、自分のなんて縫う暇なかった。辞めてからはさっぱりやる気が出ない。今では縫い方を忘れた。 ・裁ち台として買ったばかでかい板。ほんとどうするよ、これ。 ・夫がシンガポール旅行で浮かれて買ってきたお土産。南国調の柄のボールペンやらコースターやら紙っぽいバッグやら。いっそ捨ててもいいですか。
その他、なんとなく雑多なものたちが一箱に詰められて放置されている。
そのうえ、この頃病院によく通う母子ゆえ、お薬袋が増える。増えたものの行き場がない。とりあえずカゴにいれてみる。そのまま定位置化するのは必至。
やっぱり収納力のある家具がひとつ必要だよ。 夫はソファを欲しがっているが、貴重な壁面をソファで潰すと、家具の置くスペースがないよ。和室との境にソファを置くしかないか。
いや、それよりもテーブル買うのが先だ。いや収納家具か。
なんにせよ、二度と買い替えない覚悟で吟味しなくてはいかん。最終決定権はカーサンにあるしね。
今度の週末は家具屋に行こう。と思っていたら、夫の野球も開幕したという。 えー。
以前だったら言わなかったけど、またひとりで出かけて妻子はオイテケボリですかい、とちくりとやったら、一緒にくればという。夫の目が、どうせ早起きできないでしょうと笑っている。腹が立つがそれは事実だ・・・。敗北。
それに、たとえ一緒に行ったって、娘の面倒をあなた見ないでしょう。野球してるんだもん。娘を背負ってバッターボックスに立つっていうならベツだけど。
どうもいまいち妻の不満をわかってないのである>夫。 それなら私だってひとりで出かけるからね、と報復を宣言しておいた。
実際するしないはともかく、そのような気持ちがあるということを伝えるだけで心なしスッキリするのだ。安いもんじゃないか。
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