私の中学時代の友達の一人に、Sちゃんというのがいるのですが。
このSちゃん、中学校からうちの中学校ではズバ抜けて頭がよくて。県の模試でも常に一桁代の成績を叩き出し、でも「勉強!」と目を血走らせるコトもなく、フツーに部活などを楽しみつつすいすいと有名高校に難なく合格。塾には行っていたものの、複数の塾から「是非ウチに!」と勧誘されており、高校合格の際はまんまと塾の広告にデカデカと載っておりました。
・・・しかし、彼女は「遠くて面倒。一応受けただけ」と、あっさり地元の高校(そこも有名だけどね)に進学。勿論高校でもぶっちぎりの第一位を誇っていたらしいのだが、大学受験の際も「医者なんてなった後が大変」と、医学部ではなく歯学部へ。現在は一旦歯科医として就職した後、「やっぱり勉強しなきゃ」と大学院在学中。
・・・とまぁ、高校進学する際も大学進学する際も、「(もっと偏差値的に上の学校にいけるのに)もったいない!」と言われ続けた彼女ですが、「やっぱり歯科医って私に合ってるわ♪将来的には後継者がいない開業歯科医のトコロで後を継げないかしらねえ♪」などと人生楽しげなご様子。ちなみに彼女の両親とも、医者でも歯医者でもありません。
今更・・・なハナシで恐縮ですが、奈良の医師宅放火事件。「何故父親が不在の時に放火したか」なんてそんなの決まってるじゃないですか。彼にとって絶対的で、常に自分の上にいる父親に「見て」「評価して」もらわなければ、放火した意味がないんですよ。彼は放火したかったのではなく、自分の上にいる父親を超えたかったんでしょうから。殺して放火した後の、おろおろした父親を想像して「どうだ、俺は(父親のあんたよりも)こんなにすごいんだ!こんな凶悪なこと、おまえにはできないだろう!」と愉悦に浸る。そんな構図が目に浮かびます。
能力のある子を伸ばす、それは大人として保護者として教師として、当然の義務であるべきだと思います。(「べき」と書いたのは、教師として・・・はそんなに出来てないし、出来ないと思うから。少なくとも今の教育システムでは)ただ、その能力の使い道を強制したり強請したりすると、多かれ少なかれ爆発すると思うのです。例えば「部屋の掃除をしなさい!」なんて親に言われると、「今片付けようと思ってたのに!」と、急にやる気が萎えたりしません?
全ての子にとって、医者になるのが幸せとは限らない。お金持ちとなることさえも、です。その原則を踏まえるコトが出来ていればなあ・・・と思います。