ニューヨーク俳優修行日記
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2002年09月13日(金)

The A Train Plays


今、本番からかえってきた。
以前にここにも書いた企画もの芝居。

作家は昨日電車の中で芝居を書き。僕はゆうべ台本をもらい、
簡単な打ち合わせの後で帰宅した。
今日は午後2時から稽古。
本番は8時から。
朝は9時ぐらいから台本を読み込んでいて、
台詞はなんとか覚えていたけれど、
やっぱり凄く緊張した。

作家は電車に乗る前に、くじ引きで何人役者を使用するかを
決定する。4人芝居と3人と二人芝居。
そして、演出家が決定される。

そんなわけで、作家は役者の顔と経歴をもとに芝居を書く。
僕の場合は日本人だという事と、アクセントがある事が
事前に伝えられていた。

僕の役はコロンビア大学で日本語を教える教師。
そして、僕は妻と二人でアパートをさがしている。
彼女はもっと広いところへ引っ越したくて
僕はもっと学校に近いところに引っ越したい。
そんな話をしているところに偶然、年輩のゲイの男性が
話し掛けてくる。彼女はとても話を聞きたがり
僕はとてもリザーブ。
彼はそれぞれの駅に止まるたびに、
様々は思い出話を繰り広げる。
最初は引いていた僕も最後にはちょっとほろっとさせられる。

まあ、そんな話。

とにかくゲイの俳優さんがとてもうまくて楽しかった。

こういうクレイジ−な企画もやっぱり楽しい。

k


2002年09月11日(水)

9/11


8時46分に黙祷の後、
今はTVで9/11の犠牲者の名前が読まれている。
後ろではヨーヨマが演奏している。
セレモニーもとても静かなものだ。
事件の大きさを考えると、言葉で伝えられる事は
どうしようもないぐらいに少ない。
僕らにできるのは忘れない事、自分の持っている時間を
精一杯に生きる事ぐらいだろう。

こちらのメディアではここしばらくは9/11尽くしだった。
このところ忙しくてTVもあまり見なかったけど、
今日が近づくにつれ、いやでも耳に入ってくる。
僕は未だに自分でもどう思っているのか分からない部分もある。
あの近くに職場があるので、近所には頻繁に行く。
でも、未だに現場に足を踏み入れた事はない。
多分、たくさんいる観光客にあたってしまったのだろう。

多くの犠牲者の話を聞く度に泣きたくなる事もあるけど、
幸い、僕の知り合いにはあの日、あそこにいた人はいなかった。
今日、TVを見ていて思ったのは、今、この瞬間にも
世界ではおそらく同じような殺りくが繰り返されている事。
でも、その犠牲者達はアメリカの人々のように世界に向けて
声を発する事が出来ない事。そして、そのアメリカは
実際にはとても身勝手な事もしているし、戦争を始めようとも
している事。そして、僕はその国に住み、そこで生活している事。


1年が経過したわけだけど、ニューヨークはとても静かだ。
悲劇の当事者はいつも割と淡々としている。

僕も今日はこれから仕事だ。
大した事も書けないけど、取りあえず先へ行くしか
方法はないと思う。





      

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