暖か
2004年02月28日(土)
週明けより、父の放射線治療が始まった。 この治療は4週間と聞いていたが、土日は抜けるので全部で都合6週間である。 このために、起床時間が一時間早くなり、今週は終日眠気を感じながら過ごす日々であった。 たった1時間でも、習慣を変えると体はすぐにはついてこない。
人の体内時計は、実は25時間だと聞いたことがある。 だから、時計や時間を表すものが全くない場所で、体で感じる時間だけで人が過ごすと、就寝時間は毎日1時間ほど遅れるそうだ。
ところが、私の場合は、いつもより早くに眠くなってしまう。 いつもならまだ起きていられる時間に、もう瞼がくっついてしまいそうになる。 体が慣れるまでは、仕方のないことだろうと思う。 もう少しすると、すっかり朝型人間になっているかも知れない。 それに、早起きは、決して悪いことじゃない。
明日の日曜は月末なので、仕事に行く。 まだ10時前なのに、そろそろ寝ようかなんて考えている。 読みかけの本もある。瞼がくっついてしまう前に、何ページかは読めるだろうから。
それにしても、随分と暖かくなった。
てんぷら
2004年02月26日(木)
火曜日の夜は、職場のボスに連れられて、プリンスホテルのてんぷら屋サンへ行った。
店内はカウンターが15席ほどだったろうか、予約客ばかりのその店は、次から次からてんぷらが揚げられるのに少しも油のにおいがせず、清潔そのもののお店である。
中には三つの火があり、それぞれの前に透明な覆いがあって、こちらに油が撥ねないようになっている。
カウンターの上には、竹のかごに乗せられた様々な野菜や、魚介類があり、慎重に選ばれた素材は、見ているだけで食感を呼び覚ます。
おすし屋のカウンターのように、好きな物を好きなだけ揚げてくれて、素材によって、天つゆの他に、塩、山椒、抹茶、レモン、カレーパウダーが用意され、どれが一番合うと教えてくれる。
平らげたのは、筍、茄子、スナップえんどう、オクラ、エリンギ、まいたけ、かぼちゃ、しいたけ、エビにあなごにあわび。(笑)
目の前で揚げたてのてんぷらは、何もつけなくても美味しい。私の好みはやはり塩。美味しいてんぷらに天つゆはいらない。
中でも一番美味しかったのが、なんとなんと、さつまいも。長さ20cm、直径7〜8cmほどのさつまいもを丸ごとそのまま揚げ油に入れる。中まで火が通るまでは随分時間がかかるが、その間にも次々と他の天ぷらが揚げられて、気がつくと目の前に大きな大きなおいもの天ぷら。これを包丁で4っつに切ると、さつまいもの色は鮮やかに黄色くて、まるで石焼き芋のようにほっくりと、ほんわり湯気を立てていた。このお芋の美味しいこと!こんな美味しいお芋の天ぷらは生まれて初めて。家庭ではきっと、中まで火が通るまでに、皮が真っ黒に焦げてしまうだろう。その皮もまた、パリパリとお芋の皮そのままの味で、それが食べられただけでも幸せな気分。
横浜プリンスのある磯子の山は、この辺りよりも更に高地にあり、空気が澄んで気温が低い。 この山の上から見上げる空は、地上の明かりで限りなく透明に近い褐の色。月は、まるでハンモックのように大きくかしいで、鋭利な光がはっきりと、大きな星をしたがえ揺れていた。
ボスはもうすぐ還暦を迎えるので、みんなで何を贈るか相談をする。還暦というと、赤いものを贈るのが慣わしらしいが、赤い帽子やちゃんちゃんこなんて格好悪いったらありゃしない。
私は、真っ赤なカシミアのマフラーがボスの口髭には似合いそうだと思うが、年長のお姉さんたちは、やはり体にじかに身につける赤いパンツにしなさいと言う。赤いものを肌につけると、血行が良くなるというらしい。本当だろうか。
ボスは両方とも嫌だといい、それなら仕事着に赤いカーディガンはどうかと言うと、それはもっと嫌だと言う。
一体何が良いのか訊ねると、カヌーをやる時のウエアーの下にはく、スパッツが欲しいと言うのだが、真っ赤なスパッツなんてあるのかどうか、誰も知らない。多分そんなスパッツはないだろう。想像すると赤鬼だもの。
帰り道、お腹一杯、美味しい美味しい天ぷらの夜は更ける。 まだまだもっと美味しい物を御馳走になるために、誰かが真っ赤なスパッツを探しに行かなくてはいけない。
花
2004年02月25日(水)
先週末は、久しぶりにゆっくりと休みがあり、二足も早いのではないかと思われるような暖かな穏やかな春の陽気で、久しぶりにガーデニングに手を出した。
ガーデニングと言っても、玄関ポーチ回りに少しばかりのコンテナ栽培だが、かれこれ3年ほど前までは、毎日楽しみに世話をしていた。
ところが急に仕事が忙しくなり、朝9時から夜の10時過ぎまでの残業が続くようになると、どうしても花の手入れが出来なくなる。 毎朝花柄を摘み取ったり、咲き終わった花の枝を刈り取ったり、水やりすらも出来なくなると、花はみるみるうちに勢いを失い、それを横目で見ながら仕事に行った。
花をいじるのは楽しいが、あまりにも体に疲れが蓄積されると、世話をしたい気持ちとはうらはらに、体がいうことを聞いてくれない。
忙しいと言う字は、心を亡くすと書く。その頃の私は花の手入れをする心の余裕はなくて、すっかりくたびれていた。 それを見透かすかのように、ポーチのそこここに咲いていた花たちが、夏の日照りに焼かれて少しずつ少しずつ枯れてしまった。
それからしばらくの間は、花を育てることもなくて、玄関の中の大きな鏡の前の、フローリングの床にじかに大きな花瓶を置いて、毎週生花をなげこむように生けていた。
室内では、エアコンのある部屋に生花を飾るのはあまり好みではないので、リビングには観葉植物があるばかり。
だから先週までは、表の玄関ポーチはほんの少しの置物だけの、とても寂しい風情であった。
最近、生活のペースが少し変わり、少しは花いじりの時間も見つけ出せそうなので、再びガーデニングに手を出した。 また、生命力の溢れるものに触れていたいと思うようになったのかも知れない。
私はブルーと白の花が好きなので、まずレースラベンダーの花を植える。 この紫色のラベンダーは、葉っぱの色がほんのりとした淡いグリーンで、その形がまるでレースのような花。 その色のコントラストが綺麗なので、一つのコンテナにまるごと沢山植えてみる。
それから、淡紫のにおいすみれ。 この花は静かに地を這うように育つので、ハンギングにして後ろに白い小さなビオラを植える。
ムスカリの花は、真上に凛として花をつける。葉っぱは細長く濃い緑。色がはっきりとしているので、手前に白いペーパーカスケードを植えて、少しだけアイビーの葉をあしらった。
ブルーデイジーの前には、同じぐらいの存在感で咲く、ノースポール。
ブルーや白の花々と、それぞれの葉の色が交じり合い、太陽にあたり風にそよぐと、そこにもう春が来ているような、暖かな気持ちになれる。
花は毎日、こまめに手入れをすれば、次から次へと咲いてくれる。一月もすると、今の倍ぐらいの花が咲いているだろう。
その頃には、大好きなアメリカンブルーや、イソトマやルリマツリ。 考えるだけでうきうきする。
久しぶりに土をいじり、風に揺れる小さな花たちを目にするたび、心が浮き立つようなのだ。
携帯電話
2004年02月24日(火)
携帯電話が新しくなった。 新しいと言っても、同機種の色違い。 電話番号を変えずに機種変更しようとすると、何と18000円もかかってしまうことが判明した。 数件回ってみたが、1000円前後の差しかなかった。
それに、10ヶ月以内の機種変更は、それだけで別に料金がかかるし、まだ新しいタイプが出たばかりで、今までの機種は大して値段が変わらなかった。
ところが価格をよく見ると、新規で登録するとナントナント6000円。
これはお店の人が教えてくれたのだが、新しいのを古い物の家族割引サービスに登録して、同じ名義でも子どもが使うということにすれば、ナントナント、キッズ割引で更に3000円安くなる。名義は私でも、子どもが使うと言うことにすれば良いのだそうだ。
しかし、子どもの実態がないとダメなのではないかというと、店員が見たということにすればそれで通りますと言う。(爆) それをファミリー登録して、主名義にしなおしてから古いものを解約すれば良いのだそうだ。
メールアドレスや電話番号を変えることを厭わなければ、何ということはない。 新しいものはその場で電話が開通するし、DoCoMoショップへ行くのを数日ずらせば、メールのない相手には先に電話で知らせることも出来るし、それでなくても一月間は、古い電話にかけると新しい番号を知らせるガイダンスを流してくれるらしい。 私はそれをしなかったが、たいていは自宅の電話番号を知っているのだから、大して問題もない。
アドレスは、この際CCメールで何度か送れば知らせることが出来るし、私の場合はそれほど面倒でもなかった。
手続きはものの10分で終わった。 なので、今度の電話はナントナント3000円。 今までのはブラック、その前がシルバーだったので、今度はミルキーホワイトとブラックのツートンカラー。 ちょっと新鮮な気分。(笑)
イーシャンテン地獄(笑)
2004年02月20日(金)
ここに携帯電話のおもちゃがある。 DoCoMo505iそっくりのこのおもちゃは、元はれっきとした携帯電話であった。 一昨日うっかり水に落としてしまい、時間が経つごとに壊れつつある今じゃただのおもちゃなのだ。
すぐに水を抜いたり乾燥させたりしてみたら、液晶画面のくもりも抜けて、何とか使えそうだったのに、一夜明けると照明はつかず、何も見えない。 試しに電話をかけたら通じるし、昨日はお店にも行かれずそのままにしていたら、今日になって私がかける電話は全て非通知になり、誰かから電話をかけてもウンともスンとも言わず、相手には留守電になっているらしい。
やっとDoCoMoショップへ行くと、水濡れの修理は出来ないと言う。 ガーン。(笑) 新しい機種に変えない限り、いつ電源が落ちるか分からないので、結局は機種変更をするしかない。
とりあえず、奇跡的に残っていたアドレス帳のバックアップだけはFDに落としてもらうことが出来た。 この際、携帯を持つのをやめても大して困らないかも知れないと思っていたら、家族からブーイングが飛び、やっとこさの週末にはどこかのディスカウントショップで携帯探しをしなくてはならない。
この携帯は昨年7月に新しくしたばかりで、一つ一つの操作にも慣れていたのに、また新しいやり方を憶えるのは面倒だから、全く同じものを見つけようかと思っている。
前回はたまっていたポイントで一円もかからなかったが、果たして今回はどうなるやら。半年も前の機種だから、驚くほど安くなっているのじゃないかと期待している。
と思ったら、さっきはコーヒーメーカも壊れていて、スイッチを入れるとランプはつくのに、コーヒーが落ちてきやしない。(笑)
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さて、親父どのはせっかく退院したのに、昨日の定期健診で、また新しいガン細胞が見つかったとの報告を受ける。
しかもあんた!どこにだと思う? この前内視鏡で取り除いた肺の一部。 今度の癌細胞は、それまであった繊維質のものではなく、扁平性上皮癌といってまた別の組織細胞のもので、当時は繊維質の細胞ばかりを疑っていたので、術中の迅速病理検査の時には、そこまで仔細に調べなかったらしい。 術後の病理検査の結果、切り取った組織の一部に扁平性上皮の癌細胞が、縫合した場所にまたがって存在を認められたというので、取り残しがほんの少しだけ体内にあるわけだ。
なんだそれ、手抜きじゃないか。 怒らないからそうだと言ってみな、といったら申し訳ないだって。 まぁ、後からやいのやいの言ってもしょうがない。
とにかく、そんなわけで今度は放射線照射のために4週間通院することになる。 初めは入院して、土日だけ外泊(帰宅)という案も出たが、年を取って数週間の入院生活は間違いなく足腰が衰えるので、やっと少しずつ回復してきた父を再び入院生活に戻すのは忍びなく、全面的に私が面倒をみるということで、通院で過ごすことにした。
もう最近じゃ、何を聞いても立ち直るのの早いこと! 親父どのは、昨日はさすがにしょげていて(当たり前)、もう何もしたくないと言いつつ、4週間の入院の覚悟もしていたらしい。 私も昨夜は、久しぶりに鉄面皮の胃袋が痛かったりしたが、一晩考えて通院で治療を受ける提案をしたら、父は随分と心が軽くなったようである。
4週間の入院は、体力的には楽かも知れないが、日々何かをするという目的のもとに活動する方が、今後の社会復帰を考えれば、体力の回復や精神衛生上には良いと思う。
しかし、憎っきは親父に巣喰う病気の数々。 このあたしを敵に回すなんて、大したタマだよね。
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なのでなので、またまた変則的な生活になります。 通院はいつから始まるのか未定ですが、この部屋は相変わらずの開店休業状態が続きそうです。 せっかくご訪問いただいても、不在が続き申し訳ありません。
このツキ山を変えるべく、虎視眈々と様子を伺っております。 いずれまた、ツキは私のものになるでしょうから、(爆)もうしばらくお待ちくださいね。 ドカンと天和でも引っ張りますから。(笑)
ローマの休日
2004年02月14日(土)
映画の感想を書いているのに、何を隠そうこの映画を今まで観たことがない。 そういったら職場の後輩が、是非にとビデオを貸してくれたので、先日の休日(建国記念日)に観た。
ビデオのパッケージはカラーだったので、映画もカラーなのかと思っていたら、モノクロだった。 1950年の映画だもの、当たり前。(笑) ということは、50年以上も昔の映画だ。
おとぎ話みたい、そういう感想をよく耳にしていたけれど、本当にそんな感じ。 ストーリーは、多分皆さまご存知なので省略する。 人間が今よりもっと純情で、つつしみ深くて落ち着きがある。 際どいブラックジョークも、体のあらわな露出もなく、場面の一コマ一コマが、夏のローマの長い一日とともに、のどかのどかに過ぎてゆく。 誰かのささやかな軽いジョークやそぶりが、ただ微笑ましくてクスリとする。
刺激を求めて街へ抜け出したアン王女の24時間は、私から観れば大した刺激はないのに、何か楽しい気分になる。 階段広場でジェラートを食べながら歩くアン王女に、花屋の主が花束を差し出す。 お金がないというと、思わず一本差し出したくなるほど、アン王女が可憐でキュートで可愛らしい。 かと思うと、王女に戻った時の凛とした気高い美しさにも目が離せない。
たった24時間に凝縮された恋の始まりと終わり。 愛を語る場面もないし、ままならない恋に静かに別れを告げる二人。 何もかもが、おさえ気味で、それなのに気持ちは痛いほどに伝わり、なおとても優雅。
魂を揺さぶるほどの感動とか、ことさら重いテーマもないが、この時代に、多くの人がスクリーンの向こう側の夢の中に入り込んだのだろうと思うと、やっぱり映画は、エンターテイメントなんだなと、終わってからつくづく感じた。
今観ても、とても50年前の映画とは思えないほど、お洒落な映画だった。 主役の二人、オードリー・ヘプバーンと、グレゴリー・ぺックが、もう80歳を過ぎてこの世にいないなどとは、信じられないほど。
ご無沙汰いたしました
2004年02月09日(月)
なんの前触れもなく、すっかり休止状態になってしまいました。 何かとご心配をおかけしているようで、申し訳ありません。
お蔭様で、父も無事退院出来ましたし、何とか元気でおります。 しばらく振りに見てみると、全くもって放置プレイでしたね。(汗) 本当に、申し訳ありません。 掲示板へいただいた書き込みへのレスも、とてつもなく遅くなりまして、ごめんなさい。
完全に戻るのは、もう少し先になると思いますが、どうぞよろしくお願いねん♪
ところで、テレビドラマはリメイク流行ですね。 「白い巨塔」やら、「砂の器」やら。 若手のタレントが出ていると、視聴率は上がるのかな? 今時の中高生に言わせりゃ、仲居クンだって「おっちゃん」だから、私が若手と思うだけ、私が年だということでしょうか。(笑)
でも、原作を読んだ者としては、内容を今風に変えられてしまうと、すっかり興味が薄れて興ざめです。 昼メロだと、かなり古いものも古いままやっている状態でも視聴率は稼いでいるらしいから、やはり若者向けに作られているということなんでしょうが、それじゃ若者じゃないヒトには面白くないんだよね。
やっぱり原作を読む、松本清張なら「砂の器」「点と線」。 山崎豊子なら、やっぱり「華麗なる一族」なんじゃないか。
な〜んてことを、久しぶりに来たついでに書いてみました♪ 来たっていうのも変ですが。 ↑ (笑)
少しずつ日も伸びて、寒さも緩み、春が待ち遠しいですね。 皆さま、お体お大事に♪ また、ゆっくりとお邪魔いたします。
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