夜、月を見ながら。
目次過去未来


2004年12月30日(木) サボテン。

僕は3つのサボテンを持っていて、彼らはとあるバイト

を辞める際、餞別としてもらったもので、いまだ枯れる

ことなく健在なのは、僕の世話が適切なものであったか

らと言うのではもちろん無く、ひとえに彼らの強靭な生

命力ゆえのものだろう。なにしろ僕は彼らに水をやった

記憶がここ数ヶ月無い。寒い日もベランダにほったらか

しだ。しかし、彼らは何事も無かったかのようにただそ

こにいて、沈黙を守りながら、その身を大きくしていく。

どこまで大きくなるのか多少不安ではある。だが、彼ら

は僕の誇りだ。


2004年12月29日(水) たとえば。

たとえば人一人死ぬ度に、星一つ消えていくの

なら、僕らは夜空を見上げ、名も知らぬ死者の

ため、祈りを捧げるだろう。

たとえば人一人生まれる度に、星一つ灯るのな

ら、僕らは夜空を見上げ、名も知らぬ新しき命

のため、喜びを謳うだろう。

すべてを掻き消す地上の光りは、夜空を染め、

僕らを盲目に。

ただ明る過ぎたのだ、僕らの世界は。

消えていった多くの星々の、その暗闇に目を凝

らそう。きっと、そこには光が。微かな残光が。

それは流れる涙の、一滴の小さな光。


2004年12月28日(火) 休み。

髪を切った。美容師さんが言うには、正月休みの無い

僕は可哀想だとのことで、でも僕自身そう感じたこと

はなく、たとえ休みがあったところで、いつもの休み

のように、その大半の時間を睡眠に費やすのだから、

つまるところ休みがあろうがなかろうがどうでもいい、

ということだ。2日の「国盗り物語」が観れない、と

いうだけの話だ。


2004年12月26日(日) 手抜き良好。

僕は、仕事というものはパーフェクトにこなすべきなんだと

思っていて、それができなければ社会人として失格なんだろ

うと考えていたのだけれど、どうやら違うらしい。パーフェ

クトを目標にすること自体はいいこと。でも、それができな

いからといってダメなわけでは決してなく、だから仕事と向

き合う上で大事なのは完成度じゃなく、折り合いの付け方。

要するに何を頑張って何を手抜きするか、その選択を間違え

ないようにすること。一生懸命働くのはいいことだけれど、

潰れちゃ何にもなりませんから。

しかし、最近の僕は全てにおいて手抜き状態で、そんなわけ

で、一日中笑顔が絶えません。おかげで体調はすこぶる良好

です。


2004年12月24日(金) 寒い。

ただでさえ寒い冬に、あいも変わらず世間の風は、

身を切り心を凍らして、だけど、あなたの吐息が白

く煙った温かさは、きっと誰かの身を癒し心を溶か

すから。というわけで、メリークリスマス。


2004年12月22日(水) うしろめたさと気まずさと。

以前、僕がいた店の常連さんは、今、僕がいる店の

常連さんでもあったりして、「あれ?店変ったの?」

なんて声を掛けてくれて、「そうなんですよ。これか

らもよろしくお願いします」などと、もうすぐ辞める

というのに答えてしまい、多少うしろめたいのだけれ

ど、やはり顔を覚えてくれているというのは嬉しい。

これまでの僕の行動が、そのお客さんたちには多少な

りともプラスになったから覚えていてくれてる、と考

えるのは自惚れかな。まぁ、その真偽はさておいて今

日は、嬉しいんだけれど困る、という状況に出くわし

た。僕が雑誌を整理していたら、隣のお客さんから親

しげに声を掛けられ、その人はやはり前の店での僕を

知っているらしく、「その節はお世話になりました」

と満面の笑みで言われるものだから、僕も接客スマイ

ルで「どうも。またお願いしますね」などと反射的に

答えてしまったのだけれど、僕はその人の何をどうお

世話したのか、思い出せなかった、どうしても。でも、

まぁ良いことをしたのだろうから、別に気にする必要

もないのだけれど、多少気まずい気持ちが残った水曜

の夕方でした。


2004年12月21日(火) みる。

学生時代、毎日のように自転車ぶっ飛ばしていた通りを、

本日は心穏やかに少し大人ぶりながら、やはり飛ばして

通った時、とある場所のぼろっちい建物に目が止まり、

それは印刷会社なのだけれど、学生の頃見た記憶が無く

て、でも古い建物だから昔からそこにあって、僕はやは

り見ていたはずで、だから、人間の「見る」という行為

はつくづくいい加減なもんだと、そんなことを考えなが

ら、自転車飛ばしていたら、目を閉じていたわけでもな

いのに、僕は今さっきまで見ていた景色を思い出すこと

ができず、そんなわけで苦笑いしてみた。


2004年12月20日(月) 忙しさに負けた。

ここんとこ、仕事が忙しい。ア○タの祭りの

せいか、異様に客が来る。どっと押し寄せる。

そして、さっと引いていく。そしてまた、示し

合わせたかのようにどどっと来る。蹴散らして

しまいたい、ほんと。後ろに行列できてるのに、

ゆっくりと小銭を財布から1枚ずつ出すような

不貞な輩には、1度レジを体験していただきた

い。つーか、パートとして働きに来てください。

従業員一同、心より歓迎いたします。人手不足

なのよ…。


2004年12月17日(金) 経験。

仕事でも何でもそうだけど、やっぱ経験は

大事だなぁと、この頃つくづく思う。1度

経験してると、次の時どうすれば上手くい

くか、なぁんとなくわかる。だから心の準

備もできるわけで、不測の事態に対処する

余力も残せる。初心者の場合はこれからど

うなるか予測できなくて不安ばかり。そう

いう状態は結構辛いけれど、成功でも失敗

でも経験は力になるのだから、やっぱ逃げ

ちゃいかんなぁと、この頃つくづく思う。


2004年12月14日(火) 人は。僕は。

とかく人というのは勝手なもので、他人に期待して、他人が自分の思うよう

にならないと苛立って、その苛立ちの原因は自分にあるのに、さも他人が悪

いように言う。どこまでも勝手なものだ、人は。そして、僕は。


2004年12月09日(木) さて。

来年の春には24になるのに、自分の未来像がいまだ描けずにいる。自分は

どうなりたいのか、自分には何ができるのか、よくわからない。答を見つけ

ようとして自分の中を探っても、手がかりになりそうなものさえない。とな

れば、自分の外に自分のこれからの道標を探すほかない。さて、どうっすか

な。


2004年12月06日(月) さ。

本日は職場での避難訓練。誘導係をやるはずだったのだが、やろうにも避難

民役の人たちが誰もいない、どこにもいない。みんな、ア○タの人たちだか

ら、ア○タ専用の非常口から避難したんやろね。切り捨てられたということ

か…。しゃーないからア○タさんたちについていって、外に出たところで、

消火器の使い方など教わったさ。仕事前の時間を有意義に過ごせたさ。


2004年12月02日(木) 斬る。

ここ数日、耳がおかしい。といっても、幻聴とかが聞こえてしまうようなお

かしさではなく、おそらく中耳炎のような、なにか耳穴のなかに突っ込まれ

た感じで、どうもすっきりしない。だからだろうか、仕事にも身が入らな

い。ただでさえ、もはやこれまでという状態なのに、体調不良が重なろうも

のなれば、切捨て御免状態突入である。未練は無いさ…。


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