サミー前田 ●心の窓に灯火を●

2004年10月14日(木) スマイルの次

レコードコレクターズ最新号のインタビューを読んだら、『スマイル』は60年代の構想そのまんまではないようだ。そういやそうだよな。当時の記憶も記録も曖昧なようであるし。
クレイジーな天才だからこそ作れた現代版『スマイル』の次は、フィル・スペクターにインスピレイションを受けたアルバムを制作するそうで、これまたクレイジーな傑作が生まれそう。スペクターは昨年に殺人の容疑で逮捕されて9月末の裁判では無実を主張しているというニュースを読んだが、どうなることやら。

山平和彦さんが交通事故でお亡くなりになった。近年は「放送禁止歌」が再び注目され、ベルウッドのボックスもリリースされたばかりだったのだが。
御冥福を祈ります。



2004年10月13日(水) 渋谷公会堂のカップスとブライアンのスマイル

 10月10日のゴールデンカップス再結成ライブを観たが、贔屓目にみて良かったのは、エディのちゃんとしたギター、加部のめちゃくちゃなギター、マモルの水っぽさ健在の声、ミッキーのプロっぽい鍵盤、ゲストで2曲ベースを弾いた林恵文。あとはきつかった。特にデイブのためすぎて、リズムがずれてしまう歌唱には、原曲を知っているとなおさらいらだつのであった。ゲストの清志郎も困っているようにみえた。酔っぱらってステージに出てもかまわないんだけど、なんとかあの唄い方だけは直らないものでしょうか?
 
 最近は、ブライアン・ウィルソンの新作『スマイル』ばかり聴いている。
最も有名な60年代の未発表アルバムであるビーチボーイズの『スマイル』を再現したもので、当時のマスターが火事でなくなったりしたとかで、その残骸のような音源が海賊盤で何種類も出回っていた。昔からブートを聴いても全貌がよくわからなかったのだが、今回の新しい録音の『スマイル』を聴くと、ブライアンのやりたかった60年代の『スマイル』そのもののようである。でも『ペットサウンズ』も当時まったく評価されなかったのだから、それ以上に高尚なムードさえ漂う『スマイル』は当時リリースされたとしてもダメだったろう。ビートルズのようなバラエティさはないし。『ペットサウンズ』が普通にビーチボーイズの最高作と言われる現代だからこそ、『スマイル』の良さがわかるのだろうなあ。



2004年10月08日(金) ニューロックの夜明け〜渋谷編

 <in the city tokyo 2004『ニューロックの夜明け〜渋谷編』>
10月5日、どしゃぶりの雨の中、渋谷エッグマンに来てくれた方、本当にありがとうございます。おかげさまで満員御礼大盛況でありました。

 いきなり反省で、平日の18時30分開演というのもちょっと早いと思っていたが(自分が決めたわけでは無い)、エッグマンというハコ自体がロックのバンドサウンドには向いてなかったようだ。客席中央の柱を軸に、前だったり後ろだったり、右だったり左だったりすると、それぞれ聴こえてくる演奏のバランスがまったく違うのだから。客席後方できいていると、全体的に小さく感じたので、PAの音量を大きくしてくれと頼んだら、客席前方の人は耳を塞ぐ程うるさかったようだ。ギターソロの時も、場所によっては小さく聴こえたりする。基本的にはクリアーで、ボーカルがばっちり聴こえるのだけどね・・・。昔ながらのエッグマンというか、ポップス系が向いているハコの特性だと思う。

 この日のトップ、thee50's high teensは前回の東京公演よりテンションが低かった(泣)。昔からいい時と悪い時の落差が激しいバンドである。「ワンサカ娘」のカバーと、新しい衣装はなかなかでしたが(笑)。
 2番目はザ・ヤング。この日の出演順は実をいうと平均年令の若い順である。3日にクロコダイルでなんと80分間のステージをこなしたヤングだが、ここでは時間も短いので新旧オリジナル曲をまとめたステージ。最近のヤングは着実にファンが増えており、次回作アルバム用の新曲もウケていた。
 3番目のザ・サイクロンズ。はじめて観る人も多かったようだが、一曲目から客席のハートをしっかり掴んでいた。この日の演奏は俺が観た中でも一番、というくらい良かったし、ライブ会場のみで先行発売中のファーストCDも飛ぶように売れていた。
 4番目の騒音寺は、すでに貫禄十分。30分って短か過ぎ!最低でも一時間くらいやらないとものたりないのなんのって。「ガキのくせに」って曲がすごく好きなんだけど、この日は聴けずに残念。初めてみた業界のオッサンたちも喜んでたなあ。
 最後は、遠藤賢司&カレーライス(竹安堅一g、グレートマエカワb、森信行ds)。このメンバーで年3回はやってほしいね。本編爆音エレキ。アンコールの弾き語り「夢よ叫べ」では、そこにいた全ての人がじ〜んとエンケンのうたを噛み締めていたようである。

 終了後、エッグマンの上のレストランZESTで合同打ち上げをやって、その後は和民で朝までだらだら打ちあがってました。最近、50ズ、ヤング、サイクロンズ、騒音寺の4バンドは、各地でしょっちゅう一緒になるので、なんだかおもろいノリになっている。11月と12月は九州と関西で、またまた合流するので楽しみだ。

 まー最初から思っていたんだけど、この出演者でやるなら、クラブクアトロでやりたかったな。来年はたのみますin the city 事務局様。


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