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2002年06月11日(火) |
日々 ●小さなエイヨルフ(イプセン) |
●初日を開けてから5公演目。休演を挟んで主演俳優が突然芝居を変え、まわりも気の抜けた演技。いらいらと本番を見守っていた演出家は、終演後俳優達を楽屋に集め、檄をとばす。
●昨日は休演日。恋人は朝から仕事に出かけ、わたしは余りの天気のよさにふらりと羽田空港へ出かけ、海を撫でてきた風を楽しむ。
●マン・レイの写真展を仕事の前に見るつもりだったが、持ち時間の短さに予定変更し、またしても本屋へ。6300円もするイプセン集を購入。自分が演出する現場を持つために、このところ戯曲ばかり読んでいる。恋をすることに時間をつかっていることもあり、小説を読む時間がめっきり少なくなっている。そろそろ淋しくなるころだ。川上弘美の「センセイの鞄」の続編「パレード」と池内紀氏のエッセイを購入。どちらも眠りの前の時間に優しそうな本だ。恋人は先にベッドに沈み込んでいる。隣に滑り込んで、ページを繰ろう。
書かなかった間に、新作が一本開いた。
書かなかった間に、同時に二人の男性に、一生に一度あるかないかの愛され方で愛され、どちらか一人を選ばなければならないという苦行を強いられた。
一つの幸福を捨て、一つの幸福を選び、一人の男性を傷つけ、一人の男性と喜びを分け合っている。
今日という日にいて、昨日のことを振り返って思う。明日のことは本当にわからないものだ、と。
そんなことを瞬間瞬間感じるような日々だった。突然降りたった幸せに戸惑い、手に入れた幸せの行く先にわずかに怯え、それでも明日のことはわからないからこそ、今日を楽しんでいる。