束の間 - 2013年12月06日(金) ほんの少しの間、久しぶりに彼と飲むことができた。 お互いちょうど一周年というのもあって、去年と同じように飲みたかったけれどなかなか時間が取れず。 彼の会社の忘年会帰り、私はDVDを返しに行くという名目で家を出て・・・去年一緒に飲んだ和食の飲み屋さんに行った。 お互いの最寄りの駅前で、誰かに会ったらなんて言い訳しようと思いつつも、彼は少し個室っぽい部屋を希望する。 広い部屋なのに、隣同士で座ってビールを飲んだ。 「懐かしいね・・・一年前来たね」 「そうだね。この部屋だったかも」 その時はもう一人連れがいて、こんな風になるなんて私は考えてもいなかった。 「やっぱりかわいいな・・・このままどこか行きたいな」 そう言って私の太ももを撫でてスカートをたくしあげる。 「もう、見えちゃうからダメでしょ」 個室とはいえドアがあるわけではなく、多少の人目があるのに、私のあごを持ち上げてキスしようとしたり。 「ダメって言いながら、おまえからくっついてきてるじゃん」 確かに彼のそばに行くとつい、体を寄せてしまう。 そうこうしてる間に30分以上経っていて、レンタルを返しに行くだけであまり長くはいられず、早々に帰宅することにした。 帰り際、エレベーターの中で何度もキスをした。 ほんの束の間だったけれど、満たされた時間だった。 ... 再会 - 2013年12月04日(水) 今日、数か月ぶりにまーさんと会った。 久しぶりにいつも通っていた道を通りながら、いろんなことを思った。 そしていつもと変わらず彼が先に着き、私が少し遅れて車に乗り込んだ。 「お待たせ。込んでて遅くなっちゃった。ごめんね」 助手席に座ると、彼はじっと、今にも泣きそうな顔で私を見ていた。 「何、どうしたの?」 「だって。ほんとに久しぶりだから・・・」 「そうだね。でも、何も変わらないでしょ。ほら。いつもの通りだよ」 その言葉とおり、私は思ったよりずっと冷静で、彼と会っても何もドキドキしなかった。 私の中ではすっかり清算されて、彼は過去の人になっているのだとはっきりわかった。 それでも彼は走り出してからもずっと、私の顔を見てうれしそうにしていた。 「見過ぎ・・・(笑)」 「1年ぶりくらいなんだよ。・・・もう会えないと思っていたから」 そう言ってまた泣きそうな顔になる彼。 こんな弱さを見せる人ではなかったのに。 食事の場所は、私たちが初めて行った海沿いのフレンチレストランだった。 また行きたいなと思っていたけれど、場所も遠いし少し高い店であれから行くことはなかった。 コースの料理を食べながら、ポツポツととりとめのない話をした。 デザートに差し掛かり、彼が切り出した。 「これからどうやって接していったらいいのか、わからない・・・」 「そうだね・・・もう、以前のようになることはないと思うから」 「どうして、あの日だったのかな。最後に会ったあの日、普通にまたねって、別れたのに」 私は言葉に詰まった。 確かにそうだ・・・私の中ではもう新しい彼がいて終りが着々と見えていたのに、まーさんにとってはあまりに突然のことだったんだ。 「体調のこともあるけど・・・やっぱり抱き合うだけになっていたことが、大きいかな」 「そうか・・・。相談して、欲しかったよ」 彼の中に、辛さとともに怒りもあるのがわかった。突然で理不尽で、当たり前だ。 しばらく二人で、これからのことを話した。 「これからもたまにこうして、ランチしようか」 「こんなんでいいの?」 「こんなのなんて。いいんだよ、会えるだけで」 抱きあわなければ、私は彼に何も答えることができていない気がするのに、彼は会ってくれるだけでいいと言う。 そんな価値が私にあるとは思えないのだけれど、それをも拒否することもできず、また落ち着いたら食事でも。となった。 食後に外の海沿いを歩いた。 彼に抱きしめられそうで怖くて、少し離れて、いつもより少ししゃべりすぎるくらいで。 この日彼は一度も私に触れることはなかった。 これからもそうだろう。 「新しい人、探したりしなかったの?」 「するわけないじゃん。これからもするつもりはないよ。・・・meちゃんは、ほんとに特別なんだ」 「確かに、私みたいにまーさんの趣味と合う人はいないかもね(笑)」 「そういう意味じゃないよ。・・・好きになっちゃったんだよ。こんなの初めてだし、これからもないと思う」 ・・・もっと早く、気持ちをまっすぐ伝えてくれてたら。 他へ揺らぐこともなかったかもしれない。 だって私はいつも彼の気持ちが見えず、ただ体の相性がいいだけで続いていると思っていたから。 愛してくれる人が、欲しかったから。 でもまーさんは表に出さなかっただけで、愛してくれていたんだと、わかった。 ... 記念日 - 2013年12月02日(月) 初めて彼とキスをした日から、ちょうど一年が経った。 あの日書いた日記の題名は『始まりの終わり』。 あの時はまだ、私と彼の関係が続くかどうか全く分からなかったから。 あの日のキスだけで、その先には何も起こらないと思ったから。 それなのにいろんな偶然が重なって、お互いどんどん惹かれ合って、気がつけばこんなに深い関係になっていた。 私は簡素だけれど手書きのカードをパソコンで作り、送った。 『去年の今日 meにキスしてくれてありがとう あなたが居てくれたこの一年 とても楽しかった これからもずっと二人の時間を過ごせたらいいね・・・』 私はあまりずっとという言葉を使わない。 それでも使うことによって彼の気持が落ち着くこともわかってるから、あえて使った。 今日もskypeで、今週も会いたいと言っていたけれど、ここのところ毎週会っているし、今週はまーさんとついに会うことになっている。 9か月ぶりくらいか・・・ ずっと会いたいのサインは彼から出ていたけれど、具体的に日程までは決まらず、私から仕事が休みの日を伝えて会うことになった。 どうなるのか全く分からない。 ただとりあえずランチをということにはなっている。 私の気持ちはもう揺らがないと思う。 ここでけじめをつけなければ。 ...
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